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今宵雨天にて



※ほんのちょびっとだけ裏






ーーーーポツ…ポツ…





「雨、ですか」





1度地を濡らした雨は徐々に勢いを増し、

辺りを覆い包んでいく



「雨宿りしないと」



近くに小屋らしきものは見当たらず

私たちは森の中へ



「自然の屋根ってやつですね」

「…あぁ」



イタチさんは木に身を預けた刹那、目を閉じた

写輪眼を瞼にしまった彼の顔は

なんだか少し幼く見えた


引き込まれるようにイタチさんの顔を見ていたら

お互い雨で全身を濡らしていることに気がついた



「イタチさん、風邪ひきますよ


…イタチさん?」



彼はもうすでに眠りに身を委ねたらしい





あらら





「…何もしないと思って」





なめてもらっちゃ、困りますよ





イタチさんの口からわずかに漏れる息を唇に感じ

ひとつになる



「ん…」



眠りがまだ浅かったようで

イタチさんは違和感に目を覚ます



「…今」

「ええ、キスしましたよ」



貴方が寝ていたから悪いんでしょう?

と、少しおどけた顔をすると

イタチさんは不満そうに顔をしかめた



「俺にそんな気はない」

「残念ながら私にはあるんですよ」



その言葉を合図に貴方に覆いかぶさる


適度に湿った黒髪が引力によって地面へ引きつけられて

きっとこういうのを艶美と言うのでしょう




装束を剥がそうとしたら



「おい」



口から無駄な言葉が発せられるので



「ちょっと黙っててください」



唇で塞いだ






そこに手を延ばしても



「…やめろ、っ…」



必死に歯を食い縛っている



「我慢しなくてもいいんですよ?」

「何の、…ことだ」

「気持ちいいんでしょう?声出しても構いませんよ」

「そんな訳あるかっ…殺すぞ」



口ではそう言っていても

本気で拒絶して殺すつもりなら、

幻術なんでも使うだろうという事実に気づき

自然と口角が上がる



「何がっ、おかしい」

「いえ」

「貴様…っ、何を考えている」








愚問ですね









「貴方のことに決まっているでしょう」










ただでさえ、気が狂いそうなのに











fin.


__________________



2人の微妙な距離感を表現するはずだったんです…!

どうしてこうなった(^p^)



   

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