とある日の夜、エレンが壁外調査から帰ってきた。私は迎えに行こうと思ったけど、仕事があっていけない。目の前にある、故障した立体起動装置を直さなければ、今日の仕事は終わらない。このぐらいの故障だったら、1時間くらいで終わりそうだけど…。エレンを迎えに行くことは出来なさそう。

私はあきらめ、椅子に座ろうとしたとき、突然、ドアが開いた。

「ナマエ?なんでここにいるんだ?」

「………トニー?」

やってきたのは同じ班のトニーだった。トニーは、エレンの次に親しい男性で、頼れる存在。そんなトニーが、どうしてここに?

「トニー、今日は休日でしょ?トニーこそ、なんでここにいるの?」

「愛しのエレンが帰ってきたっていうのに、お前が迎えに行ってやらねぇってどういうことだよ。その立体起動装置は俺に任せて、さっさと行けって」

「えっ?…あっ!ちょっと!?」

トニーは私の手からペンチを奪い、椅子に座って、黙々と作業を始めた。トニーはただ突っ立つ私に「いいからさっさと行け」と言ってくれる。嬉しい。トニーの優しさが伝わってきた。

「トニー、ありがとう!行ってくるね」

「おう!」

私はトニーに感謝し、廊下を走った。エレンに会いに行ける。そう思うと、私の胸は踊り、頭のなかはエレンでいっぱいになる。もうエレンは医務室にいるのかな?それとも、エレンの部屋?その前に、私の部屋に行って、なにか着ていこうかな。ちょっと寒いし。

私は進路を変えて、自分の部屋に向かった。部屋のドアを開けると、鍵が開いた。あれ?もしかして、閉め忘れた?

恐る恐る部屋に入ってみると、ベッドにはエレンが座っていた。

「エレン?」

「よう。遅かったな」

遅かったな、じゃない。なんでエレンがここに?私が部屋を間違えたのかな…?いや、ここはどう考えても私の部屋だ。

「なんで…エレンがここにいるの?」

「言っただろ?会いに行くって。お前の合鍵も貰ってたしな!」

確かにエレンは調査に出る前、私に"会いに行く"と言った。でも、こんな急に来るなんて…。以前に合鍵を渡しておいた私が悪かったのかもしれない。

「もう、驚いた…。でも、エレンが無事で良かったよ」

「ハハッ、ありがとな」

エレンはニカッと笑った。するとエレンは立ち上がり、私の目に前にきた。なにをするのだろう、と思っていたら、エレンが私の肩に手を置いた。距離はグッと縮まる。

「…エ、エレン?」

「キスしていい?」

最近、ほとんど会っていなかったエレンは積極的だ。急にこんなことを言い出すから、私の脳内は軽くパニックを起こす。あ、前に押し倒されたことはあったけど、あれは未遂だったし、そもそもエレンはセックスなんて知らなかったし…。って、そういうことじゃなくて!

「なぁ、だめ?」

そんな可愛く聞いてきたら、拒否できないじゃん…。

「だめ…じゃないけど!ちょっと待って。理解できないの。なんでいきなりキス…?」

「出発前、兵長に触られてただろ?なんか…そのっ………妬いた」

顔を赤くして喋るエレン。やっぱり嫉妬してたんだ。なんだか嬉しいな。エレンにこんなに思われてたなんて、私、幸せすぎる。

私は思いきって、エレンの背中に腕を回した。するとエレンはビックリしていたが、顔をさらに赤くし、もう一度私に問ってきた。

「………いいんだな、キスして」

「うん…」

恥ずかしながら肯定すると、エレンは触れるようなキスをした。と、思っていたら、いきなり舌が入ってきた。

「ふ……っ、ん…!?」

エレンの舌は歯茎や上顎をなぞり、徐々に激しさを増していく。私は感じたことのない感覚に、全身の力が抜けてしまう。足に力が入らず、しゃがみこみそうになるが、エレンが私を強く抱き締めて、必死に阻止する。

息が苦しくて、酸欠になってきた。頭がぼーっとする。やっとエレンが口を離したとき、口からはどちらかのかもわからない唾液が、だらしなく口から垂れた。

「はぁっ、はぁっ……。エレン、いきなり…なにするの…?」

「わ、悪い!大丈夫か!?ナマエがつい可愛くて…その…俺、抑え切れなくて………」

そして私は立っていられず、床にしゃがみこむ。

「ナマエ!?」

「ちょっとした酸欠だから…大丈夫だよ」

「…横になった方が楽か?」

「うん、そうだね…」

エレンは私をベッドまで運び、ドサッと布団の上に寝かせた。まだ頭がくらくらする…。そう思っていたら、私の上にエレンが覆い被さる。訓練兵団時代の、あのときのように。

でもあのときとは何かが違う。それはエレンの表情。訓練兵団の時は、顔を真っ赤にして、初々しかったが、今の顔は真剣そのもので、あの頃の初々しさはどこにもなかった。

「あのさ、ナマエ…俺たち、もう子どもじゃないよな?」

そういってエレンは私の服に手をかけた。全身に鳥肌がたつ。

「ちょっと待ってエレン!」

必死に抵抗しようとして、足を動かした瞬間、エレンの股関に膝が当たった。そこはあり得ないくらい固くなっていた。

「なぁ、ナマエ…子作り、しよう?」

エレンは首を傾げて私に問う。私は逃げられなかった。






あとがき

次から展開的にいくと裏ですかね???(笑)文章力が無いので、裏が書けるかどうか…。あと、パスワードも設置しようかと考えてます。詳細はまた今度に。アンケートやメールでも、エレンと子作りシリーズが大好き!というもう嬉しすぎるコメントをたくさん頂きました。長編より人気なんじゃないかな…(笑)これからもよろしくお願いいたします。

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