訓練兵団を卒業し、私は調査兵団へ配属が決まった。エレンも同じ調査兵団だが、エレンと私は共に戦うこと滅多にない。私は技巧が得意だから、武器の製作や改良、修理を主にしている。
エレンは調査兵団に入り、すこし大人っぽくなったような気がする。訓練兵団に入団した時の、あのあどけない表情は消え、まるで別人のようだ。
そして今日、エレンは壁外に行く。私はエレンを見送るため、仕事を早く切り上げ、逃げるようにここまで来た。途中に会ったハンネスさんには、「早くしねぇと、旦那が行ってしまうぞ?」なんてニヤニヤ顔で言われ、なにか言い返してやろうかと思ったけど、そんな余裕は無かった。
ひたすら走り、ついに門の前まで来た。そこにはたくさんの兵士がいて、エレンをこの中から見つけるのは難しい。
「エレン!エレン!」
呼んでも返事は無い。もっと前なのかな…。でもこれ以上前に行けないし…。私は仕方なく、帰ろうとした。
振り返った瞬間、誰かにぶつかった。謝りながら上を見上げると、そこには人類最強と言われるリヴァイ兵長がいた。
「兵長…!すいません!」
「大丈夫だ。…ん?………お前はいつもエレンといる女か」
そう言って兵長は私の頬に片手を添えた。
「ほぅ…これがあいつの好みか…」
「へっ、兵長?」
「エレンとはどこまでいった仲なんだ?もう手は出されているんだろう?」
兵長、それセクハラですよ…!
「なにもされてません………っていうか、エレンに会うことすら、最近は滅多にありませんから」
兵長は添えていた手をおろした。
「そうか…それで今日は見送りか?」
「えぇ、でも近くにいないようなので、もう帰ります。エレンには無事でと伝えておいてください」
「それなら自分で言え。…後ろを見てみろ」
「え?」
兵長に言われ、振り返ろうとした瞬間、誰かに背後から抱き締められた。私の頭は爆発しそうなくらい混乱していた。
「兵長、俺の彼女になにしてるんですか…?」
「エレン…?」
私を抱き締めていたのはエレンだった。エレンは大きな目で兵長を睨み付け、声も低かった。
「なにもしていない」
「さっきナマエの頬に片手を添えたじゃないですか!」
あ、みてたんだ…。それにしても、こんなに怒っエレンは初めてみた。もしかして、エレン、嫉妬してる?
「そんなことより、こいつがお前に会いに来たと言っていたぞ。いい彼女だな」
いきなりリヴァイ兵長がそういった。するとエレンは、「本当か…?」と頬を染めて聞いてくる。エレンはとても嬉しそうだけど、私は恥ずかしくて思わずうつむいた。
「………そうだよ。エレン、無事でね」
「あぁ!!帰ったら会いに行くからな!」
エレンが久しぶりに会いに来てくれる。その一言で、私も嬉しくなった。すると、この光景を目の前で見ていた兵長は、眉間にしわを寄せながらいった。
「おいエレンよ。後ろでエルヴィンが呼んでるぞ」
「え、でもまだナマエと…」
「いいからさっさと行け」
「エレン、行ってらっしゃい」
「…あぁ。楽しみにしてるからな!」
エレンはそう言って、名残惜しそうに奥へと去っていった。私はエレンが消えるまで、ずっとエレンを目で追っていた。
「さっきエレンに手を出されたことがないと言っていたが、それは本当か?」
リヴァイ兵長にそう問われ、私はもう一度後ろを振り返る。
「そうですけど…?」
「あいつも相当溜まっているのだな。周りにしょっちゅうお前のことを喋っている」
「エレンが…ですか?」
「あぁ。会いたいだの、触れたいだの。元気か心配だとも言っていたな」
エレンが…まさか…。兵長は嘘を言っているのだろうか。でも兵長の表情は嘘を言っているように見えない。じゃあ本当…なんだ。エレンにそんなに思われているなんて、嬉しい…。
エレン、私も会いたかったよ。
「ガキが出来たら、エレンに似た野郎が産まれるのか…。なんか嫌だな。お前に似せろ。なんとしてもだ」
「それは命令ですか…」
エレンが早く、無事に帰って来ますように。
前回に書いた子作りエレンの続編が見たい!というコメントをたくさん頂き、2を書かせて頂きました!まだ続きます。最後は裏で終わろうか…とても悩んでいます(笑)嫉妬するエレンもコメントで頂きましたので、嫉妬エレンを書いてみたのですが…難しい…。またリベンジしたいです。そして、アンケートを設置させて頂きました!よろしければこちらもよろしくお願いいたします!
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