今、私はエレンにベッドの上で押し倒されている。どうしてこんなことになったのか、思い出すと長くなる。
訓練兵である私達は、食事が終わった後、各自の部屋に戻った。私は今日、同じ部屋の友達が体調不良でいなかった。いわば、一人部屋状態だ。
私が部屋でくつろいでいる頃、エレンはライナー、ジャン、ベルトルトと喋っていたらしい。
「エレン、最近ナマエとはどうなってんだ?」
ライナーがおもむろに聞いてきた話に、その場にいた全員が食いついた。私とエレンは恋人同士で、私はエレンの度重なる告白に押し負けて付き合うことになった。
するとジャンがからかうように言う。
「もう付き合ってけっこう経つよな?じゃあヤったりしてんだろ?」
「おいおい、訓練兵が妊娠なんてしたら、ただじゃ済まないぞ!エレン!絶対にナカには出すなよ!」
ライナーの忠告は正しいのだろうか。すると何も喋らなかったエレンが、ついに口を開いた。
「ヤるって………何をだ?」
その場の空気が凍りついた。エレンは純粋な少年。子作りなど知らないだろう。
「…お前、それ本気で言ってんのか?」
「あぁ、何をするんだ?それって恋人同士に必要なのか?」
エレンの質問に、にやけるライナーとジャン。そして二人はエレンにいろいろと吹き込んだらしい。
***
「だから…その…」
「………」
顔を真っ赤にして私を見下ろすエレン。エレンにとっては内容が過激すぎたようだ。あの時、ライナーとジャンが吹き込むのを、必死に止めようとするベルトルトがいたに違いない。ライナーとジャンは後でキツく言っておこう。
「エレン、他になにか言われたの?」
「え、えっと…。その、早くそういう行為をしないと、いつかナマエのこと狙ってる他の男に取られるって…だから俺…それが嫌で…」
「………」
私を狙ってる男なんているわけがない。ライナーとジャンはエレンに嘘を教え込み、楽しんでいたのだろう。あいつら…!
「エレン。私は大丈夫だから」
「そんな保証、どこにあるんだよ」
「………」
保証、と言われればないかもしれない。私は女だから、男の力に勝てるわけがない。アニのように格闘技が上手いわけじゃないし、ミカサみたいに強くもない。返事を返さない私を見て、エレンの表情は暗くなる。
「…ナマエ」
「ダメだよエレン、私達、まだ子どもだから…」
「………」
「私はエレンが好き。ずっと好きだから、エレン以外なんてあり得ないよ」
私がそう告白すると、エレンはさらに顔を赤くさせた。耳まで真っ赤にして、うなずいた。
「わ、わかってるよ…。俺もナマエが好き。愛してる」
エレンはそう言うと、私の唇に触れるようなキスをした。エレンの不器用で真っ直ぐな思いが伝わってくる。
「ナマエ、将来は結婚しような」
「今からプロポーズ?」
「また大きくなったらちゃんと言うから」
「楽しみにしてるね」
「んー…子どもはナマエに似た女の子がいいな…あ、でも女の子は結婚したら離れちゃうし…」
「………ねぇ、エレン。この後なにするか分かってたの?」
「…服を脱がせて………あれ?なんだっけ?」
どうやら分かってないみたい。エレンとの子どもがうまれるまでには、まだまだ時間がかかりそうだ。
あとがき
初短編です!
エレンは純粋だといいな、という妄想から書きました。性教育係りはジャンとライナーという設定で(笑)。
それにしてもエレン可愛い…。幼少のエレン可愛すぎません?戦うエレンも大好きです。
誤字・脱字・感想・リクエストなどありましたら、こちらからどうぞ!
back