アクアマリン
翌朝。私は服を着替え、食堂に向かった。起きたときにはすでにレニさんはいなかった。もう食堂に行ったのかな?私はレニさんを追いかけ、食堂に向かった。
食堂の前の廊下で、同じ班の団員の男性たちが、こそこそと喋っていた。私は挨拶をした。
「おはようございます」
「あぁ名前!おはよう」
「こんなところで何をしているんですか?」
男性たちは一度、顔を見合せ、そしてまた話し出した。
「リヴァイ兵長がな…おかしいんだ」
「え?」
「あの人は潔癖性で、服装もキッチリ着こなす人なんだ…。なのに、急に肌を露出するようになったなんて…」
「あぁ…一体どういうことだ…?」
私は気になり、食堂に入った。リヴァイ兵長は一番奥の椅子に座って飲み物を飲んでいた。カップを独特のつかみかたで掴んで。
私が「兵長」と呼ぶと、リヴァイ兵長は私の方を振り返った。
「起きたか」
「っ…!」
リヴァイ兵長の胸元ははだけていて、いつも胸にあるスカーフが無い。
「リヴァイ兵長、あの、その服装…!」
「これか?それがどうした」
「いえ…珍しいなって…」
「そうか…」
そう言ってリヴァイ兵長はカップをおいて立ち上がり、私に近づいてきた。リヴァイ兵長が目の前にいる。兵長の鎖骨が見え、なぜかとてもドキドキする。私は思わず顔を背(そむ)けた。
「…こんな俺は嫌か?」
「ち、違うんです…」
「ではなぜ顔をそらす?正直に言え」
「リヴァイ兵長がかっこよくて…その、直視できないんです」
そういうと兵長は口を手でおおい、目をそらした。あれ…リヴァイ兵長、もしかして照れて…?
「早く用意しやがれ…出るぞ」
リヴァイ兵長は空いた片方の手で、私の頭をポンポンと撫で、食堂を出ていった。もしかしてリヴァイ兵長、私のために…?食堂に一人取り残された私は、ただ赤くなった顔を、両手で押さえることしかできなかった。