おまえに愛されたひとってかわいそうだね。
フランシスは羽根の詰まってふくふくと太った枕に、頭を沈めながらそう言った。
ベッドの上の手際だけをさすのではない気がした。

愛をくれとフランシスにすがった。俺はフランシスが好きだった。日の光りを浴びるたびきらきらと輝く、花飾りのようく似合う金髪も、陶器みたいな肌も、青い目も、赤い小さな唇も、月並みな表現だけれど、世界で最も美しいと思った。初恋で、しかし運命的な相性のわるさはお互いに承知していることで、叶うことは到底諦めていた。それに俺は安心していたことも事実だ。けれど当時、国としての永の孤独が俺を苛んでいた。家族も友人もいない孤独は末恐ろしいほどだった。
そしてそんなときふと目を転じた隣国は自他ともに認める愛の国だった。俺はこのまま誰にも愛されないまま生きるのか。フランシス助けてくれ、俺を愛してくれ、愛をくれ。



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