汚化されます


※モブ益からの青益になる予定の話R18



知らなかった!
人の腕がこんなに強い力をもっているなんて、こんなに強く、明確に、暴力が自分を押さえ付けるだなんて。

車の陰に潜んでいた益田を路地裏にひきずりこんだ男達の力は酷く強かった。とっさのことに益田は夢中で抗う。しかし腹を殴られてふらつくと、途端に、縦にも横にも益田なんて比べものにならないくらい大きな男に全身を抑え込まれてしまった。口を押さえられる。暴れて身をもがくけれど、脚も腕も、あっというまに伸びてきた違う腕に掴まれてしまう。
「っやめ、なに…!」
主犯格らしいたくましい体格の男が背後から益田の尻を撫でる。荒い息遣い。汗の狂暴な臭い。
「っ!?」
益田は息を呑んだ。抑えられた瞬間想像したのは、金銭目当てか暴行か、もしくはその両方か。でも、この手つきは何だ。このいきづかいは?
ぴくりとも動けなかった。益田は自分を取り囲む男たちを睨む。暗がりに目が慣れないけれど、五人以上はいるようだった。喉元につめたい感触を覚える。ナイフの刃らしき感触だった。
益田は精一杯虚勢を張って男たちに尋ねた。
「―…何ですかこれ。僕金なんてないん、ですけど」
嘲りの響きを含んだ忍び笑いが聞こえて来る。低い声が応えた。
「金じゃねえよ」
「用があるのはそっちの体だ」
「こんな時間にこんな場所をふらふら歩いてた自分(てめえ)を怨めよ」
――何なんだこいつら。
一人が強引に、益田の前髪を掴んでかき上げた。益田は精一杯顔をしかめてみせた。男たちが鼻先まで近づいて顔を覗き込んでくる。「なんだ結構若いじゃんこいつ」「適当に選んだ割にはいいほうだよな」「はは、めっちゃ睨んできてるよ」―口々にかわされていく言葉には野良猫でも相手にするような無遠慮さがあった。

唇が奪われていた。舌が強引に、食いしばった口をひらいてくる。噛めないように、常に益田に口を開けさせているようにして、名前も知らない歳も知らない男の舌が口内を思うまま荒らす。鳥肌がたつほど嫌なのに、冗談みたいに、抵抗するすべがなかった。しゅるりとあっけなくタイが抜き取られた。信じられなくていっそ笑いたくなってしまった。
だって自分は、女じゃないのに。
益田は、おとこなのに。
「怯えてるよこいつ、かーわいい」
「ねえもうやめれないんだよね、わかってよ。お兄さんエロいからさあ、俺のこことかもうヤバいんだけど」言って片手が移動させられる。明らかに熱をもって膨らんだそこに、嫌悪と羞恥が一気にきた。ざっと顔が青ざめるのを感じた。口が塞がれていないから益田は必死で言い募った。
「ね―ねえ分かってる、んですか?これ、強姦ですよ、やめたほうがいいですよ」
一人が笑いながら言った。「おまえが男に犯されましたって警察に行くの?そんなの信じるわけないだろ」――ああ全くそれは正しかった、だって益田自身が信じられていないのだから。後ろからまさぐってくる手に、益田は一瞬、は、と息をついた。
「勃ってるじゃんおまえ」
「こんなとこでたつとか変態かよ」
性器をいやらしく刺激されて、勃起するなというほうが無理なのだ。益田はその男を睨みつけた。
「うるさい、僕は探偵、だっ、離せ」
「こんな頼りない探偵がいるわけないだろ、ばかじゃねえのこいつ」
「もしかして溜まってた?お兄さんカノジョとかいないの?かわいそー。俺らが抜いてあげよっか」
くすくす笑われた。羞恥とか屈辱とか、恐怖とか混乱とかで頭がおかしくなりそうだった。


酷い格好だった。シャツの釦はひきちぎられ、ズボンは下着ごとずりさげられ、おまけにタイで手首を縛られている。
「んっんっ、んっ」
犬みたいに四つん這いにならされて、後ろからがんがんと音がするくらい激しく突かれている。涎はもうだらだら垂れるしかなくなっていた。おとこたちの一人が、精液を頭にぶちまけていった。どろおっ。髪をつたって、頭皮にまでしみてくる。饐えた臭い。鼻先には違う男の性器が突き付けられていて、でも益田が揺られるので必死で、どう言っても上手くなめれないものだから、結局男は自主的にそれを扱いていた。獣のたてる音がする。はあはあはあ、ぱんぱんぱんっ、いやだもう、なんでこんなこと、と、前髪を掴まれて、男の性器が額にすりつけられた。そうしてまたでろり、だ。「っ…―ぁ、あ…っ」意味もない呻きを益田は上げる。熱い温度。顔中精子に塗れていく。だらり、だらあ。
さっきまでさんざんやらされていたフェラチオのせいで、口の中まですっかり、精液が塗り付けられてしまっているように思う。ばちんっ、一際高く腰が打ち付けられた。目の前がちかちかする。「ぅあああんっ!」信じられないような声が喉から飛び出る。息をあがらせて腰を突き出して、益田は、気持ち悪さと紙一重の快楽に顔を歪めた。後ろの男が再び益田の腰を抱え直した。前立腺、めがけてついて来る。
「あっはああ、あっあ、はあふ、あっあっぁっ、」
気持ち良さそうに鳴いてるじゃんこいつ。ばかにした口調で誰かが嘲っている。「初めてでこれなら素質あんじゃねえの」
「経験あるだろこれ」
「ていうかこいつほんとに精液まみれじゃん、きったねえ」
「あはは、顔超エロいんだけど」
しねっ、―…喘ぎながらも、益田は目をすがめてそう毒を吐いた。一人が気に障ったように眉を寄せる。脇腹を蹴られる。「ッ、」息を吸った途端、体内が締まって、そうしてその瞬間、体の中で精が弾ける感覚を覚えた。「っあ…―っやだあ…っ、」おなかが熱い。変だ。ダラダラと尻の付け根を辿り、粘性の体液が地面に滴り落ちる。ズルリと引き抜かれる感触。がたがた身を震わせて、探偵助手は冷たい汚いコンクリートの上に崩れ落ちた。朦朧となる意識のなかで、じゃあ次オレ、という声がして、そしてまた、強引に挿し込まれる。
「っああうっ!」はっもうでろでろなんだけど、男は嘲って忙しなく腰を振る。益田なんてどうでもよくて、ただ自分の欲を晴らすためだけの動き。何度も地面に擦られた肘は擦りむけて血が滲んでいる。髪がゆらゆらと揺れて益田の耳元で音をたてる。四つん這いでむかいあったコンクリートにはただ自分の涎と涙と垂れた精液があった。
「ぁ…あ、もうやだ、ゆるしてくださ、あ、あ、やだ、もお、」
縛られた手首がいたい。ごめんなさい、気づけば譫言のように口走っていた。そんなの違うのにと理性は叫ぶ。謝るべきも、許してと請うのだって、ほんとうはこいつらのすることなのだ。なのに、体を開かれて、獣じみた体勢で突かれながら、そう懇願しているのは、益田だ。そんなの絶対間違っているのに、でもそう言ったって、現実は加速して止まらない。
「ごっ…めんなさい、ごめんなさ、もう、やだ、やだ、お、おねがい、やめ、て」
いともたやすく体を反転させられる。男が今度は押さえ付けるように重なって来た。密着する肌が身の毛がよだつくらい気持ち悪い。「死ねとか言っちゃだめでしょ、元刑事サンがさあ」
毛ほども信じていない響きでことばが囁かれる。横からまた唇が奪われた。むりやりなキス。いや、こんなものはキスじゃない。粘膜を引きずり出されて絡められる。地面と背中が、付着した液体を巻き込みながら擦りつけられていく。男は益田の足を抱えて、更に深くまで押し入ってきた。「んんっ、やだああ!」足をばたつかせて蹴ろうとしたが、すぐにまた強く掴まえられた。額とか頬とか髪とかに着いた精液がもう固まり始めていて、かぎたくもないような臭いを撒き散らしていた。ああっは、あっ、はああ、知性を放棄したみたいな喘ぎ。男の体から汗が滴り落ちる。その頭越しのそらは未だ真っ暗く、朝なんて永遠にこないみたいだった。


目を開けた。
空は薄白い光が支配している。朝独特の清涼な空気に益田の体が重くなる。
男たちの姿は当然のことながら掻き消えていた。 随分遠くのほうに鞄が転がっていた。服は?下着は?辺りを見回して見つけたけれど、どれも裂けたり汚れたりしていて着れるものではなかった。しかし、もうしらみ始めている往来で裸でいるわけにもいくまい。拾い上げたスラックスを足に通すために俯くと、ぱさりと垂れてきた髪から、強烈な精液のにおいが漂ってきた。意図せず、ひくっと喉が鳴った。
なんでこんな。
尻が目茶苦茶に気持ち悪かった。口の中も顔も腫れ上がっている。体中の擦過傷と殴打の痣。スラックスを引き上げてファスナーを閉じ、そのまま益田は汚れたコンクリートの上にしゃがみこんだ。
「――ッ…」
吐き気がする。こんな路地裏からは早く立ち去ってしまたいのに、体中の怠さと悪寒が収まってくれない。涙も何だか出ない、全身をひとえに不快感が覆っていた。

「――…あの。どうかされました?」

ひッ。

喉が勝手に息を呑んでいた。それは男の声だった。自転車をひきながら、足音が近づいて止まった。辺りの様子を見渡して、一度沈黙する。そして、
「…失礼しますが、何かあったんですか?ご加減でも悪いですか?」
裸の肩に手をかけられた。その瞬間益田の体には自分でも理解不能なほどのおぞけが走った。
「さ、触るなっ!」音を立てて手を払って益田は振り返る。
ぎっと睨みつけた先にいたのは、最近出来た友人の一人、青木文蔵の顔だった。

☆☆☆

121020

みつさんが
モブ益お題に書こうっていったから…みつさんのせいです
いやもうずっとニヤニヤして書きました益田まじたまらんこういう風にまわされてる益田をずっとRECしてたい
続き書くのかなあ…




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