「で?」
「うん、だからぶつけたんだっていたたたた!!」


ぶつけたんだって言ってんのに目の前のドエスは攻撃の手を緩めようともしない。こんなやつが彼氏で大丈夫か自分。
さて事の始まりは放課後。友達と妙なテンションではしゃいでいたら階段でつまづいて手のひらを強打したのだ。右手の親指の第一関節のも1つ下に関節あるでしょ?あのあたりね。
数時間たった今なんか青くなってきてて、正直右手に力を入れたら痛い。このままじゃマネの仕事もろくにできないなぁと保健室に湿布貰いに行こうとしたら御幸にばったり会っちゃったってわけだ。
ぐりぐりと執拗に患部を押してくるもんだからもう私涙目よ。痛いつってんのに止めてくれないしさ!!


「みゆっ!も…やめてってば!!」


さすがに堪えきれなくなって腕を引こうとしたけど御幸に手首を捕まれてるせいでできなくて。でも、御幸はやっと動きを止めてくれた。


「わりぃわりぃ、気持ちいいかと思ってさ」
「気持ちいいわけないでしょ私エムじゃないし!!」
「はっはっは、そうだっけ?」


言いつつ今度はなぞるような強さで傷を撫で始めた。皮膚が知覚過敏になっているのか触れるだけでもピリピリとした痛みが走る。


「ど?気持ちよくならねぇ?」


言われてみれば痛気持ちいいかも…ってちょっと待て!!


「何あんた私をエムに改造しようとしてるわけ!?」
「はっはっはバレたか」
「バレたかじゃないし!!」


こいつの変態性はいつか治るんだろうか。信じているけど疑わし過ぎて泣きそうだ。


「でも痛みを与えながら快楽を与えたら痛みを快楽に感じるようになるらしいし?試してみる価値はあるんじゃねぇ?」
「ない!って何して…っ!!」


前言撤回。こいつの変態っぷりを誰か今すぐ治してください。
私の身がこいつに調教される前に!!



私の彼氏を紹介します?





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ぶつけてあまりにも痛いのでいっそ文章に昇華してやろうという。
ようするにぶつけた本人←






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