突然だけどイナイレで引きこもりの話
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「これを〇〇に持っていってくれないか?」
担任にそう尋ねられ、断る理由も特に思い浮かばなかった俺は部活が終わった後、学校のすぐ隣にある〇〇の家へやって来ていた。帝国学園に来るだけあってやっぱり家は豪邸なのに、なぜだか生気がないように見えた。無機物にそんな感想を抱くこと自体がおかしいけどな。 ピンポーンとチャイムを鳴らしても人が応える気配がない。大体、インターホンなのに人が出ない。留守なのか?
『…………はい?』 「!あ、あの、帝国学園で〇〇さんと同じクラスの源田といいます。プリント預かって『そうですか。じゃあとっととポストに突っ込んで帰ってください』…え?」
やっと応対してくれたとどこかホッとしていたら相手が耳に馴染むキレイな声音をしていて、なんだかドギマギしてしまった。俺ダサい、噛んだ…と頬の熱を感じていると、鼓膜を揺らせて辛辣な言葉が飛んできたのをキャッチした。ゴールキーパーとか関係なく。
『聞こえませんでした?プリントはポストにでも入れて帰ってください。私は変わらず元気だと伝えておいてもらえれば重畳です』 「え、いやでも…」 『それじゃ』
それだけ言い放ってインターホンが切れた。一体何だと言うんだろうか。あまりの出来事に思わず開いた口が塞がらなかった。え、帰ってって…え…?俺、初対面…どころか、会ったこともないのに? 何故だかわからないがムシャクシャした俺は、気づけばもう一度チャイムを鳴らしていた。
『……………………何』 「それじゃ俺が納得できない。手渡しさせてくれ」 『は?何言ってんの?』 「もし直接渡させてくれないならあんたが出てくるまで何度でもチャイムを押し続けるぞ。いいな?…じゃ、一回『ポストに入れろっつってんでしょ!!』、!!」
冗談で指を伸ばしてベルを押すフリをした瞬間、1人の少女が階段を上った先の玄関口から姿を現した。
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