sleep sleep .








ソファーでうとうと船を漕ぎ出した万太郎は、隣に座るケビンの肩にコテンと頭を預けた。気付いたケビンが肩で 万太郎の頭を小突いてみたが、睡魔に襲われている万太郎は弱々しく首を横に振り、「ちょっと寝かせて」と呟いた。

「そんなに眠いのなら、ベッドで寝るか?」

「ううん……」

「無理するなよ。連れていってやるぜ?」

「ここでいいよ。ケビンと、一緒に居れれば いいから……」

瞼をピッタリ閉じたまま、万太郎はゆっくりと言った。その言葉に、ケビンは堪らなく口を紡ぐ。普段ツンケンしてぶっきらぼうな万太郎が、今はデレているのだ。

(この後、雨でも降るのか……)

晴れ渡る外の景色に目をやり、再び万太郎に視線を戻した。小さく寝息をたて始めた万太郎は、体重をケビンにかけている。超人にしては小さな体格の万太郎。その為、ケビンからしてみれば それほど重たいとは思わない。寄り添われて、寧ろ嬉しいくらいだ。掛かる重さも愛おしい。

(今くらい、ゆっくり寝かせてやるか……)

ケビンは隣で眠る万太郎の頭を撫でて、自身も鉄仮面の中で瞼を閉じた。暖かな陽射しの刺す昼下がりの、とある超人二人の話である。







  

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