保護者の視線、子知らず










「ケビーン、」

間延びした万太郎の声を聞きながら、俺は万太郎の胴にまわした腕に少し力を込めた。立ち上がろうとする万太郎と、完全に腰を落として座り込んでる俺。

「何処に行くんだ、万太郎」

「ちょっと冷蔵庫覗きに行くだけだってば!離してよー」

「覗きに行かなくていい。俺と一緒にイチャコラしようぜ」

「もっ、しないよバカー!」

無理矢理離れようと暴れだすが、元々体格差がある俺らだから、万太郎を直ぐ様自身の腕の中に閉じ込められる。胡座をかいた脚の間に座らせ、そのまま抱き締める。万太郎の肩に顎を乗せ、顔をこちらに向かせると、軽いリップ音をつけたキスをしてやった。初な万太郎は それだけで頬を染める。あぁ、可愛い奴。

「ケ、ケビンッ!」

「悪い 悪い、お前が可愛いかったから……」

「そんなの知らないんだからーッ」











「ウォーズさん、どんな感じですか?」

「……うん、ケビンの一方的な求愛行動に 万太郎が屈してきそうな雰囲気……」

「ハァ……、もう」

ミートくんが窓の下で溜め息を吐くと、ウォーズは側にしゃがんで ミートくんの肩に手を置いた。

「ごめんね、うちのケビンがしつこくて……」

「あ、いえいえっ!ケビンが二世を気に入ってくれているのは、とても嬉しいんですっ。ただ、場所を考えろというか、何と言うか……」

ねぇ……? そう首を傾げてウォーズを見上げるミートくんに、ウォーズは体内でプシューッと 何処かの装置が湯気を出したのを感じた。可愛らしい参謀は、ウォーズに手伝ってもらって買ってきた物を入れた袋を、手持ちぶたさに ユラユラ揺らしている。

「それなら、うちに来るかい?」

「え?」

「たまには遊びに来るのもいいだろう?昔の話に花を咲かしたいし、いいかな?」

「あ、お、お言葉に甘えて、お邪魔します……!」

そうと決まったら、ウォーズらミートくんの手を握ると、自身とケビンの住むマンションへと歩き出した。




「うぁーん!ミートまだぁあああ?!」

「ハハハ、ウォーズさんとミートくんが来るまで、俺たちは二人きりだぜ!」

「いぃやぁぁあだぁあああ」








  

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