菓子よりもお前
「ペンタ、悪戯するぞ」
「え、突然すぎて分かんないんだけど」
ソファーで寛いでいたところ、急に言われたその言葉にペンタゴンは動揺を隠せない。
「お前、今日がなんの日か知らねぇの?」
「いや、あ、ハロウィーン?」
カレンダーの日付で気付いた今日のイベント。思い出した様子にブラックホールは満足気に頷き、再び「だから、悪戯させろ」と詰め寄ってきた。
「ねぇ、おかしくない?普通は『お菓子をくれ』って言う日なんだけど……」
「菓子なんていつでも買えるだろ?」
「悪戯だって、毎日飽きるほどしてくるじゃないか」
悪戯と言うよりは、セクハラだが。
「いいじゃねぇか。細けぇな」
言動荒いブラックホールはペンタゴンの横に無理矢理座り、肩を引き寄せた。
「な、何するんだ……!」
驚いて身体を強張らせるペンタゴン。しかし頬はほんのり紅く染まっている。その初な反応に、ブラックホールは カカカ… と小さく笑う。
「菓子よりも、今はお前が食いてぇんだ。それで良いだろ」
「な……っ!!」
そんな恥ずかしいことをっ、よくもまぁこんな真っ昼間に!
顔を手で隠すペンタゴンに、「なら、夜ならいいのか?」と問い掛けたところ、ボフンッと頭から湯気を出した……様に見えた。
あぁ、本当に面白いやつ。
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