こま利/団清/いぶ金/団清/石土井
※現代・成長混在。ツイッターの恋愛お題ったーより。加筆修正あり。



こま利「深夜のベッド」「抱き合う」「靴」

小松田は力の加減というのを知らない。今だってそうだ。力の抜けた利吉の体は締め付けられ、みじろぎすらままならない。しかし、それもまた一興かとされるがままになったのが利吉の狂気の二歩目だったか三歩目だったか。
とりあえず心境を整理すると、利吉は高層ビルの屋上で靴を揃えて脱いでいるようなものだ。






団清「朝の書店」「髪を撫でる」「指輪」「若旦那、髪に何か…」
きらと蛍光灯を反射した光を彼の髪に見て、思うより早く清八は手を伸ばしていた。大事な若旦那の御髪に付いた異物を取るのは最早彼の習性だった。やがて指がこつとその異物に当たり、それを手に取るや清八はえっと声を漏らした。団蔵はにやにやと笑っている。
「婚約指輪、よく見つけたなあ清八!」







いぶ金「朝の廃ビル」「選ぶ」「氷」

そうだね、じゃあこの氷が溶けてしまうまでに。カクテルグラスに入れられた氷がからんと音を立てる一方で、いぶ鬼は普段と変わらぬ様に穏かに唇を曲げてそう言った。
「…簡単に言うなよ」
「簡単に言わないと。もう時間がないんだ」
ごめんね、今回は負けてあげようかなんてばかみたいな優しさを君にあげられない。仲間か、僕か。ほんの少しの間でいい。迷ってくれるだけで十分だった。

(このわずかな時、僕は君の決別を待つ)







団清

あいつの弱点って何かなあ。
級友は大真面目な顔をして言った。誰か実技で勝てない奴でも居たのかい?庄左ヱ門も大真面目に返してやる。そりゃ店頭違いだよと団蔵は笑う。うん、検討違いな。庄ちゃんたら冷静ね。
「知りたいのは清八の弱点さ」
「……はあ?」

そんなのお前そのものじゃないか。呆れた。








石土井「早朝の高架下」「出会う」「人形」

ぶらぶらと散歩がてらにぶらついていた高架下で見つけたのは薄汚れた人形だった。それをほんの気紛れに持ち上げてみて、土井は噴き出した。
なんだあいつ、ちょっと見ないうちに、ついにお人形になっちまったのか。
「んなわけあるかよ」
「なんだ帰ってたのか。よ、斬鉄剣はどうした?」
「それ十足りてねえよ十」
つまんねえ冗談言うようになったなあと十の余計な男は笑った。
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