石土井/こま利/こま利/石土井/こま利
※現代。ツイッターの恋愛お題ったーより。加筆修正あり。





石土井「早朝の神社」「逃げる」「アルコール」

いつのまにか東の空が白み始めている。珍しく随分アルコールの回った土井はガキのように石段を駆け上がった。危なげない足取りで追いかけ石川は僅かに眉を上げた。小さな鳥居だった。土井はとけた目で鳥居に手を叩く。神様あ、おねがいします。石川は唇を曲げてその背中を眺めた、いったい彼は何を願うものか。
「石川を逃がさないで」






こま利「早朝の神社」「抱きしめる」「ゲーム」

面倒な事になった。標的は無防備に背中を向けていて、今回帯びた任務は全く簡単だ。しかし面倒な事になった。利吉は息を吐く。背中にやっかむような視線が突き刺さっている。やれやれ、南無三と覚悟を決めて利吉は罰ゲームを執行した。しっかりと抱きしめた腕の中で彼がうひゃあと悲鳴を上げた。面倒な事に、なるよなあ。




こま利「早朝のエレベーター」「騙される」「クッキー」

小松田くん。エレベーターに二人きりになるとふと彼は口を開いた。他の人には中々見せないくらいものぐさな仕草。なんですかと訊ねる前に彼は僕の手にクッキーを握らせた。「あげるよ、ホワイトデー」余りの出来事に心臓が止まりかけた。チン、と軽やかな音と共に彼はエレベーターを降りていった。この記念すべき今日は、ホワイトデーでもなんでもない。四月一日だった。





石土井「夜のレストラン」「密会する」「月」

「密会だ」と男は楽しそうに笑った。ばかだなといなしながら私も唇を曲げた。洒落たワインで乾杯して、男は更に愉快そうに笑った。「あの月はお前の為に盗んできた」何を莫迦な。窓ガラスから見える青白い月を見て、ひっそりと視界が潤んだ。何を、莫迦な。






こま利「夕方の遊歩道」「泣きじゃくる」「鍵」

「うわあああん利吉さああん」
「…きみ公道で良い年こいて」
「うわあああん」
「なんなの」
「鍵なくしちゃいましたあ」
「あっそう」
「何ひとごとみたいな顔してるんですか」
「だってひとごとだし」
「利吉さんちの鍵ですよ!」
「私があげたのが何かの間違いだったから丁度良い」
「うわああん利吉さあん」




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