ノマカプしかない世界

■ 探り合う ※やってる/ナルマヨ 2013/08/02

 どこに触れればいいのか。
 くすぐったい、とむずがるところ。何やら難しい顔をして押し黙るところ。いやだと顔を赤らめるところ。どこもかしこも怪しい気がした。個人的にそそられる、と感じた場所は果たして彼女のお気に召す場所であるのか。わからないまま彼女の反応を探っていた。
「真宵ちゃん」
「う。なに?」
 最中の呼びかけなのだから、何も律儀に答えなくてもいいのに。苦笑しながらも、結局彼女の何もかもが愛おしく思えて、成歩堂は彼女の耳朶に優しく唇を落とす。今なら何を言ってみても、いやらしいことに思えそうな気がする。さてどうしようかなと思案するあいだに、彼女のほうが我慢できないとばかりに口を開いていた。
「なんかさ。すんごいスケベの顔してるよ、なるほどくん」
「・・・あのね、真宵ちゃん」
 きみって子は本当にムードが無いというか、空気を読まないというか。ため息を吐こうかというところで、待てよと彼は思い返した。こんなときになんではあるが、発想の逆転は日頃の彼の十八番でもあった。彼女に額を寄せて、ふてぶてしく笑んだ。
「そりゃあスケベな顔にもなるよ。ぼくだってね」
 どうだという心地で吐いてみた台詞であったが、彼の真下に収められていた彼女にはどうやら響かなかったらしい。うわあ。そんな声がしっかりと彼の耳にも届いた。
「頭に来た!覚悟しとけよ」
「うっひゃっひゃっひゃっ!やめてよなるほどくん!」
 探り合いに、もはや意味など無い。真っ向勝負で挑むのみであった。

 ちゃんちゃん

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