「体育祭か……」




夏休みが終わり二学期になって……待ちに待ってない体育祭がやってきてしまった。


「借り物競争?」

「そう!足速いでしょ!!」


逃げ足だけですよ、しかも借り物競争って足の速さ関係ないし。
あんなの運任せだろ……。

「じゃあよろしくね!」

「へ?」


有無を言わせないとはこのことだ。
学級委員の女子は私を笑顔で脅すのだ。
あなたが何故学級委員になったのかよくわかったよこの野郎…!



「はぁ…憂鬱……。」


いつもの帰り道を重い足取りで進む
どうせだから50メートルだけ出てあとは応援に回りたかったのに…。


「はぁぁ…」



「そんな大きな溜め息ついてどうしたの?」

脇からにょろりと出てきた手は私の胸をワザとかもしくは事故なのか。
やんわりと包むように手をおいたのだ。


「〜〜〜っ!!!」

「やっぱり着痩せするタイプだね、思ってたよりでかっゴフッ!!



神様、やっぱりこいつわざとじゃないですよ。
セクハラだよ!セクシャルハラスメントだよ!!



「ねぇ……日に日に強くなってない…?」

「あはは、どっかのセクハラ先輩のおかげですかね!」



最後の方を私は強めに言った。
どっかのセクハラ先輩が目の前にいるのだから強めに言わないとこの人は理解しないはずだ。

日に日に沖田先輩の撃退法を身につけている気がする…のは気づかなかったことにしよう。
あれだ、これは一種のレベルアップだ。

かみつくしか攻撃できなかったポ○モンがたいあたりを身につけたとかそんな感じだ、うん。


「セクハラかー君も大変だね、僕が相談にのってあげようか?」

「あなたに日本語が通じないのはよくわかりました、とりあえず死んでください。」


私はまた帰り道を歩き始める。
後ろから何かついてきてる気がするが…


この際無視だ!無視!



普通の歩きから早歩きになり、最終的には走り出した。
なぜか後ろにいるやつも私と同じように歩きから早歩き、走ると同じである。



いい加減にしろよ!!!


「なんなんだよさっきから!!」


イライラしながら振り返る。

誰かがやっぱりねって言った気がする、なぜやっぱりなのかは私のあとをつけていた人物がコイツだから。




「セクハラの次はストーカーですか、変態先輩」

「変態先輩ってひどいと思うよ?
まるで僕がそういういかがわしいことしたみたいじゃない」


現にしたんだろうがこの野郎…!




「聞きたいことがあったし、あと面白そうだから追いかけてきたんだよ」

「聞きたいことがあるならさっさと声をかければいいでしょう!?
しかも後者のほうが本当ですよね、絶対!」



イライラがどんどん積み重なってそろそろピークに達しそうだ…。


「あ、それでね聞きたいことって言うのが…」


私の発言全無視ですか、ホントあなたは何なんですか?神様ですかこの野郎。



「体育祭何に出るの?」









どっかの王子様みたいにキラキラとした笑顔。
前に友達がそんなことを言っていた。
だけど私にはどこかの悪党が殴りたくなるほどの笑みを浮かべているようにしか見えなかった。




体育祭1



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