「皆さんはどんな女性がお好きなんですか?」

そよぐ風が涼しい長月。新撰組の世話になっている雪村名前が茶を飲み、寛ぐ幹部達に質問した。
吹き出す者が三名、茶を飲み続ける者が二名。

「何でいきなりそんな質問してんだよ!?」
吹き出した三名の内の一人、藤堂平助が声をあげる。

「な………なんとなく……かな?」
苦笑い気味に首を傾げ、再度茶を啜る名前。
「おもしろそうじゃない、並び的に一君からでしょう?」
「………俺は関係ない。巻き込むな」

続いて顔色一つ変えない二人が言う。
「一君は相変わらずだよね、ちなみに僕は面白い子が好みかな。」


「なんか沖田さんらしいですね……」
「そう?」

「原田さんや平助君や永倉さんは?」

「お、俺はだなぁ…「お前は色っぽい女だろ、」
「確かに新ぱっつぁんはそれだわ!!」

顔を赤らめる永倉に原田と藤堂が冗談と共に笑い出す。
「左之!!平助!!誤解を招くような事言ってんじゃねぇ!!!俺は、こう……一筋縄じゃいかねえような女がだな…」
「お前が言うと艶めかしい女しか浮かばねぇよ」





「まぁ……好みは人それぞれですよね………あははは…(棒読み)」
「ちょ、引かないでくれよ!俺別にそういう意味で言ったんじゃ!!」
「どんまい、新ぱっつぁん!」



「俺はだなぁ、好みとはまた違うかもしれねぇが、子供が好きな女とか、気が強い女がいいな。」
「なんか原田さんのが一番女としては心打ちますね……」

名前は頬を少し赤らめる。
その言葉が嬉しかったのか原田は「ありがとよ」と言い、名前の頭を撫でた。


「俺は、料理が上手い女が良い!!仕事とかで疲れても好きな女が作った飯があると思ったら一日頑張れそうだもんよ!」
「っ…!へ……平助君!!八五点!!!」

余りの犬のような可愛らしさに名前は口元を手で押さえ悶えだす。
突然の行動に皆驚いた。

「後は斎藤さんですよ、教えてください!」
「………知ってどうする?」
目だけを名前に移し、呆れがちな顔をする。

「皆さんのこと、全然知らないから………こういう機会に少しでも多く知りたくて……。
だから教えてください!」




「………何時も横に居て俺の名前を呼んでくれる女だ。」
「………さ…斎藤さんは…百点です!!!!」
斎藤の健気な心に名前は堪えきれず、叫びながらその場を離れた。






「この採点基準おかしくない?名前ちゃんが萌えればいいの?」
「取り敢えず総司と新八と俺には萌えなかったわけだな、」







(俺…斎藤君に負けた……。)(平助は良いじゃねぇか!俺なんか絶対もう目とか合わしてくれねぇぞ!!!)

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