体育祭当日




最近前よりも視線を感じるようになった。
前は沖田先輩のファンや沖田先輩からだけだったが……。


靴箱を開けると手紙が数通入っていた。
どれもこれもドMな内容ばかりだ。

「踏んでください」「縛ってください」「鞭で叩いてください」「罵ってください」
脳内で爆発が起こった気がした。



「モテモテじゃない」

後ろから肩を抱かれ耳元で声がした。
とりあえず肘で一突きして靴箱に入っていた手紙をぐしゃぐしゃに丸めて口に突っ込んでやった。


「すべての現況はあなたですよ、」

そのまま先輩を放置して教室に向かった。
教室に入ればすでに何人か着替えをすませている。

普通ならば女子更衣室に行くところだが面倒なので教室で着替えることにした。


あぁ忘れていた。
沖田さんのファンでも誰のファンでもなかった女の子達に何故かキャアキャア言われるようになった。
部活をやっている最中にタオルの差し入れをこの前頂いたし……。

どうやら私のモテ期がやって来たらしい…。


男だけならまだしも女の子にまでモテるのはどうかと思うけれど……。



9時から開会式だ。
ぞろぞろとみんなが列になってグラウンドへ向かう。


何も事件が起こらないことをただ願う……。







長い長い校長やらPTAの話、そして留年しまくりらしい生徒会長が現れた。
体育祭だというのに体操服を着ずに白ランを身にまとっている。
顔はいいのに残念な人だって聞いた気がするなー…。
その意味がよくわかったわ…



「雪村千鶴とラブってGO!!に出るのはこの私だぁぁあ!!」


とりあえず黙ろうか。
しかも名指しするなよ、その人めちゃくちゃ可哀想だよ。



「…あ……あぁ…」

横から唸るような声がした。
具合でも悪いのだろうかとちらりと横を見ればポニーテールの女の子。

青ざめた顔で生徒会長を見ていた。


「…………」




まさかのまさか?


「…あの……もしかして雪村さんだったりします?」

こっそりと青ざめたポニーテール少女に声をかける。


「そう………です…。」


仲間を見つけた気がした。
こんなかわいい子に言い寄りたいのはわかるけどさ……


「お互い辛いですね、」
「もしかして…沖田先輩の……」


「まさかの有名ですか。」



うん…と雪村さんは頷いた。
初めて沖田先輩のことで悲しみを感じた気がする。


その後はいろいろと変態を語り合って名前で呼び合う仲になった。
可愛い女の子ゲットだぜとテンションがあがったのも束の間。

私が唯一出る競技、借りモノ競争は6番目の競技だ。
最初に短距離があって、その次に借りモノ競争がある。
そして今指定された集合場所にいるのだが、



とんでもないことを耳にしてしまった。


「借りモノ競争に出る方はくじで決まった衣装に着替えてくださーい!」

係員の人がくじと書かれた箱を高くあげながら叫んだ。

ちょっと待て、私が見る限りじゃそれ…!






コスプレじゃねぇか!!!



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