剥き出しのケモノたち
久しぶりの逢瀬でとりあえず一回、を済ませたわらしと十代は、薄いシーツに包まりながら何気ない話に花を咲かせていた。
ここですぐにもう一回とならなかったのは、精力旺盛な十代が体力を温存する為である。
何せわらしに種馬とまで言わせた十代の精力は凄まじい、が、それ以上にわらしの方が絶倫だったのだ。

気付けば十代の方がギブアップしていたことが今までに多々あった。
長い夜を少しでももたせるための、これはいわば重要な戦略でもあるのだ。


「そういえば、せっかく暖かくなったと思ったらもう梅雨入りなんだってね」
「あー…そんな時期か。しばらく日本離れてたから忘れてた」
「私夏が好きなんだけど、梅雨も同じくらい好き。蒸し暑くてお互いベトベトするでしょ?」


と、わらしは休んでいる十代に体を寄せねだるように囁く。
その意図を理解した十代が苦笑して言葉を漏らす。


「勘弁してくれよ、まだ休んでんだって」
「なによ、まだ一回しかしてないじゃない。十代が動くの嫌なら私が上に乗るから」
「そういう問題でも……あぁ悪い、何でもないから」


ジロッとわらしに睨まれ、十代は慌てて否定した。
ここでわらしの機嫌を損ねると本気で朝まで付き合わされかねない。

シーツの中に潜ったわらしの髪をすきながら、十代はわらしに与えられる快感を受け入れた。
慣れた様子でしばらく手と口で愛撫される。

相変わらず上手いな…と感心したのもつかの間、わらしはシーツを剥いで起き上がった。


「…だめ。もう我慢できない」


十代の上に跨がり宛てがう。

そのわらしの行動に少し笑いつつも、結局のところ十代もわらしと同じ気持ちだったので素直に腰を引き寄せた。


「久しぶりにぐちゃぐちゃになるまでヤリまくるか」
「それ、凄く賛成…あっ」
「っ…わらし、」


互いの熱が重なり合い、新たな熱を生む。
理性よりも本能で。
例え一時の幻でも構わないからと、

離れていた時間を埋めるように二人はしばし激しく求めあうのだった。


剥き出しのケモノたち


(20090620)


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