12.5
俺の股間に顔を寄せて奉仕するわらしの髪を触る。 相変わらずフェラが好きだな。嬉しいが。
「っん、ねぇゆうさく、VRでも気持ちいい?」 「あぁ…」 「そっか。なら良いんだけど」
珍しく乗り気ではないようだ。
「どうかしたのか?」 「んー…VRだと、遊作の味とか匂いがしなくって。ちょっとつまんないなぁって」 「…そういうものか」 「うん」
確かに、VR空間では各感覚は生きているが、それを感じさせる粘膜の分泌等はない。例外は、公式で用意されている飲食店の食料くらいだろう。あそこでは味や匂いを感じられるように、事前にプログラムが用意されている。
「まぁこうして感じてくれるだけでも良いんだけどね?」
言いながら、舌で裏筋から亀頭をなぞるように舐める。舌が濡れてなくても十分気持ちいい…。
「わらし、時間がない。俺の上に乗れ」 「ん…」
下着を外して肌を露出させたわらしが、座る俺の上におずおずと腰を下ろす。本当はじっくりほぐしてやりたいところだが、プライベートデュエルは30分までと決まっている。 濡れてもいない場所に挿れて大丈夫なのかと思ったが、意外にすんなりと入った。慣れているせいか、ここがVRだからなのか…。
「んん、あ、気持ちいい…」 「わらし、腰が揺れてる」 「だってぇ…。ね、遊作早く動いて。私のことイカせて?」
俺の首に抱きつき、キスを繰り返すわらし。その腰を掴んでやや乱暴に揺さぶった。多少無理しても、VRなら平気だろう。
「あっ、あん! あ、あ…っ、あぁ、あん…、!」 「っ、は、ぁ…」 「あぁ、いい、…っん、はぁ、あっ、あ…っ気持ち、いいよぉ…! あっ、あっ…」
いつものように抽挿に伴う水音は聞こえないが、肌と肌がぶつかり合って激しい音が鳴る。 時折前後に揺さぶり、子宮口を刺激してやる。その度にわらしは声を震わせ、乳首を反りたたせる。よくできているな…。
「ゆーさく、あっ、もっと、もっと…、!」
揺れる乳房を掴んで先端を摘まんでやれば、いやいやと頭を振った。
「ひゃ、あ、だめ、それだめ…っ、あっ、ぅん、!」 「っは、今、中、締まったな…、」 「ふぁ、あ…っんっ、あっ、やっ、ぁん、あ…っ、」
泣きながら快楽に溺れる姿は、どんな表情よりも腰にくる。その顔が見たくて、必死に腰を振った。ずっとこの瞬間が続けば良いのに。 だが、脳に直接刺激が伝わるせいか、それでも限界はすぐに訪れた。
「あぁ、あっ、ゆうさ、もうダメぇ…っ!」 「俺も、イク…っ」 「あ、あっ…あぁぁぁぁぁーーっ!」 「っ、!」
わらしの腰を限界まで引き寄せ、迸る精を中に捩じ込む。収縮する膣に合わせるように何度か押し込んで、最後の一滴まで注ぎ込んだ。ーー実際には出ていないが。 息を切らしたわらしが、肩に寄りかかりながら呟いた。
「ここなら、赤ちゃん気にしないで中出しできるね…」
全くだ。そういう意味ではありがたいが…。 やっぱり、現実のわらしに触れたい。実際に触れ合えないVRでは物足りない。 最後にキスをしてから、俺たちはログアウトした。
後日、LINK VRAINSの仕様と規約が微妙に変更された。その頃には俺もわらしもLINK VRAINSにログインしていなかったが、例のアカウントは当然BANされていた。管理者も困っただろうな…。 ちなみに俺達がVR SEXをしなくなった理由はもう一つある。 実はログアウトしてから現実世界に戻ってきた時、夢精していたのだ…。わらしも似たようなものだったらしい。 これなら現実世界でした方が良いとなったのだ。
「どうも最近、LINK VRAINSでヤバイことやった奴等がいたらしいが…、まさかお前たちじゃないよな」 「………」
草薙さんの視線が痛かった。
2018.8.7脱稿
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