「あっ…!」

直前に強い衝撃がして、思いっきり引き抜かれたと思ったら、胸に感じた飛沫の熱。
解放された体は痙攣を繰り返しながら、どこか物足りなさを感じた。うっすらと開けた視界に映ったのは、軽く息を乱している、雷蔵の姿だった。
少しだけあいた口。汗で濡れた髪を掻きあげて、満足そうな顔で微笑んだ。

私は少しだけ視点をずらす。
自身の胸の上に散らされた、白濁した液を指ですくって、遊んだ。この中に何億もの命のカケラがあって、さらに何十億という遺伝子が組み込まれているというのだから、不思議。
少しだけ粘性のある体液を伸ばしていると、雷蔵の目が細く狭められていて、こちらを見ていることに気付いた。期待されている。

視線を再び合わせて、今度はそらさず、見つめ合う。
指ですくった白い液を口元に持っていき、舌を出して舐めとった。ちゅう、とわざと音を立てる。
そうして味わうように飲み下せば、雷蔵はふっと表情を和らげた。

「よくできたね」
「雷蔵の、だから」

柔らかい指が頬の上を滑って、額に口づけられた。
胸の上は雷蔵の出した体液でべとべとだけど、それが光に反射するととても艶めかしくなることを私は知っている。そして、雷蔵がそうすることを好きなのだということも。

私たちの行為は、決して健全的とはいえないけれど、仲は今日も良好です。

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