強くは揺さぶらず、中に入ったままじわじわと擦りつける。梅雨はそれだけで甘い矯声をあげるが、俺の方はまだまだだ。 既に達しそうな予兆を見せている梅雨の腰を掴み、徐々に律動を開始した。 「あっ! やん、まって、へいすけさま……あっ、あぁん!」 楔を体に打ち込まれ、俺に掴まるしかできない梅雨は待って、と何度も言った。だけど俺の方もそれ以上待つのは耐えられなくて、結局いつものように梅雨の体に酔いしれるだけだった。 待つって言ったけどな…やっぱり無理。 梅雨のいいところを突いてやれば、待って、と叫び続けていた梅雨はあっという間に達してしまった。 「あぁぁ…あっ、はぁ……」 震える体をぎゅっと抱きしめ、急激な締め付けに何とか耐えきる。ぽろり、と零れた涙を舌ですくい取ると、梅雨は荒い息ながらもしっかりと抱きしめ返した。 「兵助さま……待ってと、おっしゃったのに…」 「待ってたけど…待ちきれなくなった」 梅雨が可愛いから、と付け加えれば益々泣きそうな顔をする。 このまま恥じらう梅雨を抱くのもいいけど、そうだ…と思いついた俺は、梅雨の中から一度自身を抜いた。反動で、梅雨から小さな悲鳴が聞こえた。 「ねぇ、梅雨……今日は、梅雨に頼みたいことがあるんだ」 「え…?」 何を言われるか、訳がわからず、といった顔をした梅雨の手に、さっきまで梅雨の中に入っていたそれを握らせる。 「これを、梅雨の口で…」 耳元で囁くと、梅雨はびくりと体を震わせた。そして、たっぷりと潤んだ瞳で俺のことを見上げるのだった。 「そ、そんな……私には、無理です…」 頼まれたことがよっぽど恥ずかしかったのか、梅雨は消え入りそうな声で頭を振った。 「無理じゃないよ。梅雨にしかできないことだ」 「そんな…」 「それとも、梅雨は俺が他の女の人にそれをしてもらってもいいのか?」 「兵助さま…っ!」 ちょっと意地悪だったけど、そういう言い方をしてやれば、梅雨は瞼をぎゅっと瞑りながら、でも、でも…と呟いた。 「わ、私に上手くできるかはわかりませんし……」 「梅雨がしてくれるだけで、俺は十分満足だ」 俺のものを握ったままの梅雨の手を、上から握って上下に動かさせる。ん、と少しだけ俺の口から声が漏れた。 手だけでこの刺激だ。口でしてもらったら、どんなに気持ちいいか… 「わ……わかりました……」 梅雨は覚悟を決めると、俺に掴まりながら上体を起こした。良くも悪くも純情である。 俺は正座した梅雨の前に立つと、そそり勃つ自身を梅雨の眼前に持っていき……まだ少し視線を反らしがちな梅雨の頬に向かって、自身を動かしてみた。 「あっ…」 ぺちん、と情けない音がして梅雨の頬に俺のそれに当たる。余計に恥ずかしがる梅雨の頬に何度か繰り返すと、梅雨は泣きそうな声で言った。 「へ、兵助さま……お戯れはよして下さい……」 「ん。だって、梅雨がちっとも先に進もうとしないから」 「そんなこと申されましても…」 そういえば、俺のものをしっかり見ること自体初めてだったか。 俺は中々直視しようとしない梅雨の頬を撫で、顔を上げさせる。大丈夫だから、と目で語れば、梅雨はおずおずと手を伸ばした。そして、ゆっくりと開いた口に、それを呑みこんだ。 「んっ…ぁ……はむぅ…っ」 ちゅるちゅると音を立てて、梅雨の口は俺を直接的に愛撫する。梅雨の口の中は温かくて気持ちいい。 小さな舌を動かして、必死に奉仕してくれる。それだけで俺の気持ちは酷く昂った。 たどたどしい動きをする梅雨の口の中から自身を引きぬき、最後にもう一度頬を打つ。 「ひゃぁっ!」 梅雨は驚き、唾液にまみれたそれが再び触れたことで、頬のあたりがてらてらと光っていた。それがとても情欲的で、気付いた時には梅雨の体を四つん這いに押し倒していた。 「兵助さま……あぁぁっ!」 梅雨が振りかえる間もなく、後ろから楔を打ち込む。耐えきれずに梅雨は頭を垂れた。枕に頭を押し付け、敷布を掴む。 俺はただただ、欲望のままに梅雨を攻めた。 「梅雨…梅雨っ、」 「はぁん、あっ、あっ……あん…、はっ、あぁっ!」 梅雨の体を揺さぶる度に、漆黒の髪が流れて布団につく。抱きながら背中に舌を這わせると、ひっという短い声とともに、俺の名を呼ぶ。 「へい、すけさま……っ、んぁぁっ…!」 「綺麗、だ……」 動くことは止めず、手を前の膨らみに伸ばした。梅雨の胸は柔らかく、無心にそれを揉みしだくと、俺の中の雄は余計に硬度を増した。その事実に梅雨が気付かないはずがなく、喘ぎ声はさっきよりも悩ましいものになった。 「あん、やっ…だ、だめ、兵助さま……あぁん、あっ…!」 「っ…」 きゅきゅきゅ、っと梅雨の中が締まったかと思うと次の瞬間には痙攣を繰り返した。その激しい締め付けに耐えられず、俺も梅雨の中から引き抜いてすぐに吐精した。 俺から放たれたものが、梅雨の尻を伝って垂れる。その姿がまた酷く情欲的で… 「んっ、へいすけ、さま……」 梅雨の声に顔を見れば、梅雨は頬を赤くし、しっとりとした目で俺を見ていた。 「ごめん、汚した。すぐに綺麗にするよ」 「はい……あの、わたし、何か勘に障ることをしましたか…?」 「、どうして?」 「…兵助さまが、突然、その……あんなことをしたので……」 そう答える梅雨は、熱に浮かされた表情の裏に、どうやらとても気にしていたようで。本当に無垢だなぁと考えながら、梅雨の体を抱きしめた。 「梅雨が気にすることじゃない。俺の理性が弱かったってことだから」 「…?」 「いや、意味がわからなければそれでいいよ。ただ、俺は何も怒ったりしていない。むしろ、嬉しかった」 それだけ伝えると、梅雨は恥ずかしそうに目を伏せ、良かった…と呟いた。 それから、俺の体に腕を回す。あまえたがり屋な子どものように俺にくっついた。だけど子どもじゃない。俺の、たった一人の愛するひとだ。 俺はこの幸せを噛み締めながら、梅雨の耳元に囁く。 「できれば、次もまたやってもらいたいけど…」 「それは、もう無理です!」 あっさりと断られて、ちょっとだけ落胆した。 でもまぁ、教えたいことはまだまだ沢山あるし。諦めるには早いってことだ。 愛しの、花 不具合報告をして下さったひなさんに捧げます! も、もの凄い遅くなってしまってすみません…! 久々知か鉢屋か迷って、結局久々知になりました…こんな感じで良かったですかね? もし書き直しが必要だったら遠慮なくおっしゃって下さい! それではリクエストありがとうございました☆ 2011.05.18 みどりーぬ << < 1 2 3 > |