胸への愛撫が終わると、兵助の頭は私の腕をすり抜けて徐々に下がっていく。お腹にもキスをされ、くすぐったがっているとあっという間に下も脱がされ、両手で足を広げられてしまう。
指を割れ目に添わせたかと思うと、付着した粘液を確認して嬉しそうに笑っていた。私は恥ずかしくて仕方がない。
「そんなの見て喜ばないでよ…」
不満を言えば、
「梅雨が感じてる証拠なんだから、嬉しくならない方が無理」
と、今度はその割れ目に顔を近づけた。そしてストップをかける前に、兵助の熱い舌がその場所をなぞった。
「あっ…」
熱は何度も割れ目を往復した。その度に私の口からは引っ切り無しに甘い声が漏れる。
「あ、はぁん、や……んっ…あ…、あぁん、っ…はぁ…！」
指がふとももの辺りを滑っていたかと思うと、付け根に移動し、舌と一緒に割れ目の辺りを弄り出した。軽く触れる程度に壷の入口を抜き差しする。
舌が肉芽だけを刺激するようになると、やわやわと中に入り、同時にくちゅくちゅと音を立てるようになった。
「あぁっ！ へーすけ、ゆび…っ」
「ん。いつもより凄いね、梅雨の中…」
「あぁん、んんっ…あっ、あ！」
舌と指で外と中を攻められる。
肉芽は兵助の唾液でぬるぬるだし、中は溢れ出した液でぐちゃぐちゃ。どちらも快感を増幅するには十分で、刺激が与える度にその量も増す。
いっぱいいっぱいになって視界をうっすらと開けると、足の間に顔を埋めながら、額に汗をかいている兵助の姿が見えた。とても苦しそうな顔をしている。
（兵助も我慢してるんだ…）
触れ合ってなかったのはお互い様。こんな刺激に待ち焦がれているのは、私だけじゃなかった。
それに気付いたら、私だって兵助にしてあげたくなった。兵助を気持ちよくしたい。
「あっ、んん…っ…へー、すけ、も、こっち…！」
「？」
「わたし、も、へーすけの、なめたい…っ」
両足で兵助の頭を挟むようにして妨害すれば、ちょっと驚いた顔をしてこっちを見たけど、指だけ残してすぐに私の頭の横に移動してくれた。
起用に片手で下着を脱ぎ、勃ち上がったそれを目の前に突き出してくる。久しぶりに見た、兵助のものは既にはち切れんばかりに大きくなっていて、むわっと匂った雄の匂いに、思わず目を細めた。
ずっとこれが欲しかった。
「あっ、んんっ、ん、んふっ…ふぁ、んん…っ」
「っ、梅雨…俺も久しぶりだから、そんなもたない…かも…」
「いい、よ、兵助に気持ちよくなって、欲しいだけ…んっ」
指で中を突かれながら、手と口で兵助を愛撫する。でも、兵助が与える刺激が強くて、口にくわえてもすぐに離してしまう。
兵助の息がさっきより荒くなったから、何もしないよりは感じてるはずだけど、継続するのは難しかった。
そうこうする内に、兵助が私を追い上げる。
「あっ！ やん、へーすけっ、あっ…あっ…あぁん…あっ…！」
「っ、」
「だめ、いっちゃ…！ あぁぁぁ…っ！」
肉芽を弄る親指と、奥を突く中指の同時攻めによって、私は呆気なく達してしまった。
強い快感に身を委ね、兵助のを掴んでいた手から力が抜ける。と、今度は兵助がそれを握って、余韻に浸る私の胸の上に吐き出した。生暖かい熱が降り注ぐ。
「っは、ごめん…一度イッとかないと後がきついと思って…」
「ううん……いいよ…私だって、兵助に気持ち良くなって欲しいし…」
お互い息が上がったままだったけど、何とか後始末をして兵助が私の隣に寝転がる。
そのままくっついて抱き合ったり、キスをしたりと、スキンシップを取るのも久しぶり。甘えるようにして兵助に擦り寄ってたら、その内腰の辺りに熱を感じた。
気付いたらお互いちょっと恥ずかしそうに顔を見合わせて、もう一回キスをした。
「挿れても、いい？」
指で中の湿り具合を確認しながら、耳元で囁かれた。私は頷いて、早くきて、と伝えた。
「梅雨、可愛い、その顔すごく好きだ」
「や…なんか恥ずかしいって…」
避妊具を装着して挿れる直前、私を見下ろした兵助が言った。
私は内心、兵助が私の中に入ってくるのが待ち切れなくて、早く早くと祈っていた。だからその時の顔を可愛いと言われても、恥ずかしいだけなのである。
温かいものが入口に押し当てられ、少しだけ中に挿れられる。その後兵助は体を倒しながら全部を押し込んできた。
「あっ…あぁぁぁ…」
「っ、あったかいな…」
奥まで収まったところで、舌をぐちゃぐちゃに絡ませながらのキス。兵助の首に腕を回したところで、すぐに律動が開始された。
「あっ！ あぁっ… や、あぁん…っ！」
最初は様子を見るようにゆっくりと。不思議なことに、久しぶりにも関わらず痛みは全くなかった。
多分、事前に兵助が散々指で慣らしてくれたおかげだろう。
兵助も痛がる様子を見せない私に安心したのか、そこからはあっという間にスピードを上げて、激しく腰を揺さぶる。
「梅雨…っ、」
「あぁん、んんっ、うん、あっ、あぁ…あ、あ、あっ…！」
「っ、はぁ……、はぁ……」
「あぁ、あんっ…へ、すけぇ…んっ、んぁ！」
「っ……！」
兵助は私の一番イイところを突いてくる。
さっき一度イッたとはいえ、否、イッたからこそ体は余計に敏感になっていて、全身で兵助を感じていた。頭が痺れるくらい気持ちいい。もっともっと、兵助に愛されたい。
「へー、すけ、もっと、もっと…！」
「っ、」
とぎれとぎれにお願いすれば、兵助は器用に私の片足を上げてもっと深くまで突いてきた。
先程よりももっと大きな声をあげてやがて訪れる快感の波を受け入れるしかなかった。
「あっ、あっ、あん…あ…っ！！」
ずん、と強く突かれた衝撃で、あっという間に二回目も果ててしまった。
直後、律動を止めた兵助の腕の中で呟く。
「へーすけ…好きだよ…ずっと…大好き……」
「俺も、梅雨が大好きだ…」
結局、兵助がイッたのは私が三回目の絶頂を迎えた後だったけど、繋がっている間は今までのどんなエッチよりも幸せだった。
情事の後、シーツの中でこれからのことを二人で話した。
「旅行、いつ行こっか」
「近いところの休みでいうと、ゴールデンウイークがあるだろ。それを使わない手はない」
「ふふっ、そうだね…楽しみだけど、ちょっと緊張もするよ」
「梅雨なら大丈夫。俺がついてるし」
「うん。兵助のこと信じてるよ」
あふ、とあくびが出て、瞼が重くなってきた。
察した兵助が、優しい声で言った。
「少し寝ようか」
「うん…」
「おやすみ、梅雨」
「おやすみ…兵助」
限界だった視界は閉じられ、意識はすぐに夢の中へと誘われた。心地良い気分である。
兵助の腕の中ならきっと、いい夢が見られるに違いない。薄れゆく意識の中で、私はそう思った。
ラヴ・クライシス
１万打リクエストをして下さった、紺さんに捧げます！
大変遅くなってしまってすみません；
最後はちょっと切り上げましたが、裏希望ということで精一杯頑張らせていただきました。
またいつもより純愛ベースで、楽しかったです（笑）
１万打リクエスト、本当にありがとうございました！
みどりーぬ
2011.05.09
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