蛙吹梅雨。この度、晴れて大学生となりました。それまでは始業時間がきっちり決まっていた高校生活と違い、授業は自分で選択して受けることができる。つまり、朝起きる時間も自分で決められるってこと。 今日は午後からだし、もう少し寝ていよう。そう思って寝返りを打った。…ら、 「すー…すー…」 「………」 何で兵助くんが隣にいるのかなぁ? 何となく寝返りしにくかった原因てこれ?てかまずあんた、一体どこから入ってきた。きちんと鍵を閉めたはずなのに… 「ちょっと、兵助くん起きてよ」 「ん…とぅふ…」 「何が豆腐よ…いいから早く起きなさい!勝手に人の布団に潜りこんだりして…」 「やだ…豆腐食べる…」 「人の話を…、っ!?」 抱き着いた兵助くんの体をどかそうとしたら、わしづかみされた。何を…なんて言わなくてもわかるでしょ。胸よ、胸。 「ちょっと、寝ぼけてないで…んっ」 「とうふ…気持ちいい…」 「私の胸は、豆腐じゃないって…あっ、こら、やめ…んんっ!」 「柔らかい…」 薄いTシャツの上から揉みしだかれる。私は馬鹿みたいに声をあげて、快感の波から逃れようとした。 私が大学生になったということは、兵助くんも中学生になったということで…身長が伸び、体つきもしっかりしてきた。私の胸を包む手だってほら、小学生の時と比べたら全然違う… 兵助くんは未だ寝ぼけたまま、私の胸をまさぐっていた。 「んっ…や、だめだって言って…やん、っぁ…」 「んー…絹ごし…?」 「ふぁっ、あ…ん…あぁっ、ふ…絹ごし、じゃ、ないっ…ぁっ!」 「木綿豆腐…」 「木綿でもっ、んぁ!豆腐じゃ、ないから…っひん、や…あぁん…やぁん…っ」 こいつ、ホントは起きてるんじゃないかと私は思う。そんなに器用に胸を揉みながら、会話したりして… いい加減何とかどかそうと、顔を叩いてやろうと思った時だ。それまで閉じられていた瞼がうっすらと開き、半目の兵助くんと視線が絡まる。 「兵助くん…っ、あっ、はぁん…!」 それでも手は止まらない。今度こそ、押しのけようと顔を上げた私の前に、兵助くんの顔が迫っていた。 「うるさい…」 「んんっ!?」 ぐい、と頭を押さえ付けられて、ディープキス。兵助くんの舌が私の口内を蹂躙した。 「んんっ…は、ぁん…ん…んむぅ…んっ!」 「んっ…ちゅ、ん…」 「…っ、ん、はぁ…んん…ん…っ」 舌で舌を絡め取られる。互いの唾液が入り交じり、息も出来ないくらいに荒らされる。口に含みきれなくなったそれを飲み込めば、兵助くんも飲み込んだ音が聞こえた。 いつの間にか胸から手が離されていて、私の手は兵助くんによって、高ぶりに導かれていた。 「っふ、梅雨さん…」 「はぁ、はぁ……な、に」 「責任、取って下さいね」 「責任…?」 「俺、今まで出会ったことのないような、凄く柔らかい豆腐と愛を語り合っていたのに、梅雨さんのせいで目が覚めた…」 「…ちょっと待って、」 その豆腐って、まさか私の胸…? 有り得る…だってずっと胸を揉みながら、豆腐豆腐言ってたもん!私の胸は豆腐じゃないのに…! 「ねぇ、手でイカせて」 「な、何を…!」 「口でもいいけど、今俺動きたくないし…このままでいいから、早く」 「え、ちょ…」 「梅雨さん」 兵助くんの顔が、また近付く。今度は啄むようなキスを繰り返し、合間に私の手を兵助くんのそれに直接触らせた。熱くて、固くなってる…こんなに… 「へい、すけ、くん…んっ」 ゆっくりと、私の手ごと上下に動かし始めた兵助くんは、少し苦しそうな顔をして汗を滲ませた。はぁ、とお互いの息が絡まると、私もどうしようもなく興奮する。 私は自ら、手を動かし始めた。言っておくがこれは自分の為ではない。苦しそうな兵助くんを、早く楽にしてあげる為に…だ。(なんて、自分に言い聞かせて) 「ん…梅雨さん、気持ちいい…」 「こ…こ?兵助くんが、いいとこ、」 「そう…もっと、シテ…」 ちゅう、と深い口付けをしながら、兵助くんを高みに昇らせる。しばらく動かしていると、やがて「んっ…」と低い声を出して、達した。私の手は粘液にまみれて、ぬちゃぬちゃだ。 「…気持ち良かった?」 聞けば、キス一つで返してくれた。…そうかそうか良かった。ならこれで心おきなく聞ける。疑問に思ってることは沢山あるんだよ。 「で。どうやって私の家に入ってきたの」 まずはそこからだ。 |