「じゃぁ今日は私がシテあげるね」 いつも雷蔵に任せっきりの私は、たまには年上らしくリードしてあげようと、足の付け根に顔を寄せた。 雷蔵は慌てていいよ、と言おうとしたけど、それよりも早く私の手が雷蔵に触れる。 瞬間、ピクンと揺れた雷蔵の息子は、いつ見ても女にはない独特の形態をしているけど、ほんの少し可愛いなぁと思ってしまう。 ちゅ、と軽くキスをしてから、ゆっくりと舐め上げた。 「ん…ちゅ、は…っ」 「っ、梅雨さん…」 下から雷蔵の顔を見上げると、雷蔵はまだどこか困ったような、恥じらった顔をしていた。 目が合うと、途端に顔を赤くする。 「んっ…、フェラしてもらうの、初めて?」 聞けば雷蔵はこくんと小さく頷いた。 「というか、こういうこと全部…梅雨さんが初めてだよ」 「え、うそ、ほんとに?」 「うん…経験ないから、あんまり言いたくなかったんだけど…」 「そんなことないよ。そっか、じゃぁあの時が雷蔵の初めてだったんだ…」 「恥ずかしいから、あんまり思い出さないでね」 雷蔵の言葉とは裏腹に、私は初めて雷蔵と体を重ねた時の事を思い出した。 確かにあの時は雷蔵もぎこちなかったけど、それはお互いに緊張しているせいだと思っていた。 私の方が年上だし、雷蔵はまだ高校生だから。 しかし本当のところ、理由はそうではなかったらしい。 私は雷蔵を掴んでいた手を動かすのも忘れて、回想にふけっていた。 「梅雨さん?」 「あ、ごめん…」 雷蔵の声にハッとする。 急いで手の動きを再開すると、雷蔵はまた少し切なそうな声を出した。 「…もしかして、今思い出してた?」 「うん…」 「思い出さないでって、頼んだのに」 「ごめんね」 「…僕、梅雨さんと別れたくないよ」 「どうしたの、急に」 雷蔵の突然の言葉に、目を丸くする。 雷蔵は小さな声で「だって…」と続けた。 「僕は梅雨さんにとってはまだまだ子供だから…そんなんじゃ、嫌われてしまうかと思って」 「嫌いだったら、最初からこんな事もしないよ。むしろ私の方が飽きられるんじゃないかって、いつも不安だし…」 「そんな事ないよ」 「だったら、雷蔵もそんな風に思わないで。私が雷蔵を好きなのは本当だから」 「梅雨さん…」 「…んっ、」 そこまで話して、私は雷蔵のをくわえこんだ。 雷蔵ったら、変なとこで心配症なんだから。 年齢なんて関係なく好きだ、って告白してきたのはどっちよ。 私にはその言葉が凄く嬉しかったのに… 「ん…ふっ、ぁむ、ん……っは、ちゅ…」 「っはぁ…梅雨さん…」 「はむぅ…ぁ…んんっ、ちゅ…んっ、んむっ、んん…っ」 私の口の中で雷蔵は更に硬さを増した。 先端からは先走りの液が溢れ出し、飲み込んだりするんだけど追い付かなくて、口元からだらし無く垂れる。 口で刺激を与えつつ緩く手を動かしていれば、雷蔵はすぐに限界にきた。 「うわっ…梅雨さ…っ僕、もう…っ」 「ん…ふ、んんっ、ちゅ…んむっ」 すると雷蔵は、今まで手ぶらだった両手で私の頭を押さえ付け、自分から動き出す。 喉の奥に当たって少し苦しかったけど、元より口を離すつもりのなかった私は、懸命に舌を使って奉仕した。 そして幾度かそれが続いた後、雷蔵は短い息を吐き出した。 「だ…もう、イく…っ」 「んふ…んっんん――――、」 ビクン、と雷蔵が跳ねて口内に射精した。 私は雷蔵が出したのを、何回かに分けて飲み干す。 粘着性のあるそれは臭いも手伝ってか、飲み込むのには中々苦労する。 けど、私は喉を鳴らし続けた。 「――っ、かはっ、っ……」 「はぁ…っ、あ、ごめん、中に…」 「ん、平気…ちょっと零しちゃったけど」 「え…まさか、飲んだの…?」 「うん」 「え、えぇぇぇ!?」 雷蔵は私が肯定すると、もの凄く驚いた。 まさか、飲んでもらえるとは思ってもみなかったみたい。 「だ、大丈夫!? 気持ち悪くなったりしない!?」 酷く慌てている雷蔵の前で、私は口から零れたのを指ですくいながら「大丈夫よ」と返す。 「でも、嫌じゃなかった…?」 「何で? 私、雷蔵の事好きだから、全然嫌じゃなかったよ」 「そ、そっかぁ……ありがとう」 「それより、私こそごめんね。がんばったんだけど、少し零しちゃった」 「そんなの、全然いいよ!」 「キスしたいけど…口元ぐちゃぐちゃだから、また今度だね」 「うん…それは僕も、さすがに…」 「わかってるよ」 雷蔵は凄く申し訳なさそうな顔をする。 だけど、今言った通り私の口は中も外も雷蔵の出した体液にまみれてぐちゃぐちゃなのだ。 さすがに、自分が出したものにキスするのは嫌だろう… 私はもう一度ごめんね? と謝ると、雷蔵はぎゅっと私の体を抱き寄せた。 「謝らなくていいよ。凄く嬉しいし、それに…」 「…それに?」 「あの、ごめん。梅雨さんの口が濡れてるの見て、僕…」 と、そこで私は自分の体に当たっている、雷蔵のソレに気付いた。 今出したばっかりにも関わらず、しっかりと反応している。 ちらりと肩口から雷蔵の方を見てみれば、顔こそ見えないものの、耳は真っ赤になっていた。 「ホントに、余裕ないっていうのが情けないんだけど…」 耳元で雷蔵の声がする。 私は喉の奥で笑って、グイッと今度はその体を押し倒した。 私を見上げる雷蔵が、びっくりした顔をしている。 「雷蔵、あのね。私も雷蔵の舐めてたから、限界なの」 ニッコリと笑いかければ、つられて笑ってくれて。 じゃぁ今度は二人でイこうか、と主導権を取られる。 「雷蔵、大好き」 「僕も、梅雨が大好きだよ」 やっとのこと‘さん’付け無しで名前を呼んでくれた雷蔵に跨がって、私たちは繋がった。 これが終わったら、教えてあげよう。 私が雷蔵の初めてをもらえて、凄く嬉しかったんだって事を。 雷蔵は真っ赤になりながら、喜んでくれるといいな。 心で繋がる 案の定、雷蔵は真っ赤になりながら抱き着いてきたのだった。 |