【竹谷八左ヱ門の場合】

メールで「はっちゃんーおなか痛いから今日は家で寝てるねー」と送ったら「すぐ行く」と返事がきた。
まぁそうだろうな、とちょっと思ってた。
はっちゃんは何だかんだ言って凄く面倒見がいいから、私が体調を崩したと言えばすぐに来てくれる。
悪いとは思いつつ、私は今ナプキンを切らしているのでそれも買ってきて欲しいと頼んだら、わかったからゆっくりしてろとのお達しが。
やっぱりはっちゃんは優しい。

「梅雨、起きられるかー?」
「うん、大丈夫。そこまで酷くないよ」
「じゃぁこれ、頼まれてたやつ」
「ありがとー」
「ついでにハーブティー買ってきかたら、今いれるな。お腹あっためるにはいいみたいだぞ」
「え、うそ買ってきてくれたの!?」
「梅雨が前に好きだって言ってたからなー、こういう時は何かしてやりたいし」
「ありがとう、はっちゃん!好き!」

私がそう言って抱き着くと、はっちゃんは笑って受け止めてくれた。
そう、はっちゃんは優しいだけではなく、こういうところに意外と気がきくのだ。
私が好きだと言ったものはちゃんと覚えていてくれる。

私はお湯がわくまでに一度トイレに行こうとして、はっちゃんが買ってきてくれたナプキンを手にした。
しかし次の瞬間、私はあっ、と声を漏らし、はっちゃんが後ろからどうした?と聞いてくる。

「はっちゃん、これ頼んでたのと違う」
「え?マジで?」
「私が欲しいの、昼用で良かったのに、これ夜用だよ」
「あー、悪い、後でもっかい行ってくるな」
「ううん、いいよ。とりあえずこれで何とかなるし。ありがとう」

私は少し申し訳なさそうにするはっちゃんに、微笑んで首を振った。


結論:竹谷はパッケージで恋人が使っているメーカーを何となく記憶しているが、昼用とか夜用とか詳しいことはわからないので失敗する。しかしそれ以外は気がきくのでプラマイゼロ。

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