【久々兵助の場合】

電話で兵助に「ごめん今日無理」と言ったら「俺もう梅雨の家の最寄り駅まで来てるんだけど」と言われてしまったのでならこのチャンスを逃すまいと私は兵助にお使いを頼んだ。
どうせくるならナプキン買ってきてと。

突然そんなことを言われて怒るかなと思ったけど、兵助は「わかった」と一言告げると早々に通話を切った。
プー、プー、と鳴る携帯を見つめて私は大丈夫かと心配になる。
何の反論もしなかったけど…本当に買ってきてくれるんだろうか?
これだから天然は時折対応に困るんだよ…いや頼んだの私だけど!

「買ってきたぞ」

何食わぬ顔で家にやってきた兵助の買い物袋(そうだこいつエコバック持参だった)からは、ふつうの日の昼用、多い日の夜用が、それぞれ羽根ありなしで計4種類出て来た。
あと何故か頼んでもないタンポンも一緒に。
選択がピンポイントで正確すぎる。
何故だと思って問い質すと、彼はあっけらかんとした口調で言った。

「え?あぁ、どれ買えばいいかわからなかったから、店員に聞いたんだよ」
「店員て…女の人?」
「じゃないとわからないしな。お勧めのメーカーを教えてもらって、とりあえずこれだけ揃えれば大丈夫ですって言われたから、それを買ってきた。何か問題でもあったか?」
「ありまくりだし!!」

あぁぁもう、あそこの薬局には兵助とは絶対に行けない…
きっと今頃、彼氏にナプキン買いに行かせるなんてどんな女だとか思われてるんだろうな。
こんな女だけど!

「あ、ありがとう…トイレ行ってくるよ」
「ん」

とりあえずお礼だけは言い、私は多い日の夜用羽根付きを持ってトイレに向かった。


結論:久々知はわからなくなったら迷わず女性店員に話し掛ける。天然だから恥ずかしいとは思わないのだぁ!

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