【鉢屋三郎の場合】

「えーと、‘お腹痛いから今日行けない’っと…」

恋人である三郎にメールを打つ。
それなりに付き合いが長く、さっぱりとした関係を保っている私たちに今更恥じらうことはあまりない。
生理痛だって、こんな風に言ってしまう。

送信完了の画面が出た携帯を放り投げて、再びごろごろ。
今日は一日こうしてようと決めた。
つらい時に無理する必要はないのだ。

テレビを見ながら30分程そうしていたら、玄関からがちゃがちゃと音がした。
そして手にビニール袋をぶら下げた三郎がやってきた。

「あれ、何で来たの」
「お前ナプキン切らしてただろう。ほら、買ってきてやったから感謝しろ」
「え!?あ…ありがとう。わざわざ…」

受け取った袋を開ければ、いつも使っているメーカーの多い日夜用羽付きさらさらタイプが入っていて、私が今欲しいものとドンピシャだった。
何でそこまで把握してるんだろう…ちょっと怖いんだけど。
そう思っていたら、三郎は上着を脱ぎながら「別に、俺も欲しいもんがあったからついでだったんだよ」と言ったので、袋の奥を探ると出てきたのはコンドーム。
こいつ生理用ナプキンとコンドーム一緒に買ったのかよ。
絶対店員さんから変な目で見られたに違いない。

「ん?何だよ」

怪訝そうな顔をして振り返った三郎に、私は何でもないと言って首を振った。
突っ込みたいことは沢山あるが、とりあえず今は何も言わずにありがとうと言っておこう。
買ってきてくれたことには素直に感謝すべきである……だけどやっぱり納得いかない!


結論:三郎はナプキンの予備を把握してなくなりかけると同じものを揃えてくれる。ついでにコンドームも一緒に買っちゃう人。

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -