人生で一番とも思えるような誕生日を過ごした。

私の大切な人たちが集まって、こっそり進められていた私の誕生日を祝う計画。
部屋に入った時は自分が夢をみているのかと思った。
それくらい、素敵な誕生日だった…

その祝賀も終わり、今は一人縁側に座って余韻に浸る。
お酒の入った体に夜風が気持ちいい。
くのたまの友人たちは既に長屋戻り、部屋に残っているのは仲のいい5年の忍たまだけ。
片付けもそこそこに、ほとんどが酔い潰れていた。

「梅雨」

足をぶらぶらさせていると、八左ヱ門がやってきた。
「隣、いいか?」と聞いたので、私は頷く。

「みんなもう寝てる?」
「寝てるっつーか…ありゃ完全に酔い潰れてる」
「八左ヱ門はお酒強いんだね」
「まぁな…今日はあんまりハメ外すつもりはなかったし」

言いながら、私の肩にさりげなく手を伸ばした。

「八左ヱ門?」

私より高い位置にある八左ヱ門の顔を見上げれば、八左ヱ門の頬はほんのり赤くて、お酒のせいだけじゃないと思った。
だけど軽く引き寄せられた体に、少しだけ意地悪く聞いてみる。

「酔ってるの?」
「酔ってる、って言えば酔ってるけど…」
「けど?」
「…梅雨にこうしたいって思うのは、俺の意志だから」

きゅっ、と肩を掴む手に力がこめられる。
私は八左ヱ門の体に自分を預け、八左ヱ門に寄り掛かるように甘えた。
八左ヱ門の指が私の髪をそっと梳く度に、くすぐったさを覚える。

嗚呼、でも幸せだなぁ…と感じた。
好きな人の体温がすぐそばにある幸せ。
こうして私の誕生日を祝ってくれる幸せ…
今日という日がずっと続けばいいのに。

「八左ヱ門」

私は顔を上げると、八左ヱ門の頬に口付けた。
八左ヱ門はびっくりして、ポカンと私を見つめる。
くすりと笑って、私は照れ隠しに抱き着いた。

「今日のお礼」
「おま…」
「八左ヱ門にだけよ、特別なんだから…」

そう言うと、八左ヱ門はぎゅうぅと私の体を抱きしめてきた。
多分、八左ヱ門も私以上に顔が赤い。
それでも私の気持ちを受け入れてくれたことが嬉しくて、恥ずかしさはもうほとんどない。
言葉に表さずとも、互いの気持ちは伝わっているから。

静かな夜に、私たちは身を寄せ合って過ごした。



ずっとずっと



瑞歩ちゃんからいただいたはぴば夢へのお礼!
タイトルはあえて同じにしてみました。
瑞歩ちゃん、本当に本当にありがとう…!

みどり
2010/06/25


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