はあ、と温かい吐息が部屋に響く。 私のなかに居るままの兵助の背中に私は手を回した。 「兵助…」 「梅雨、」 私は目を細めて、汗をかいた彼のおでこに貼り付いた前髪をさらり、と撫でた。 兵助は何か言いたそうにしている。 「…ん、何?どしたの?」 「も…興奮し過ぎて、」 「…え?」 赤い何かがぽたり、と垂れた。 「…わあああ!兵助!」 「…だめだ、可愛すぎる…」 「…いきなりどうしたの!…っや、ん…!」 「…うぁ、多分興奮してるから、鼻血が…」 私は慌ててティッシュを取ろうとしたら、動いた時に私は…感じてしまった。 彼も少し震えた声を出して、私の質問に返した。 「兵助…大丈夫?」 「うん…ごめん」 そんな彼に、私は笑ってしまった。 「あははっ、おかしいなあ」 「なんで笑うんだよ」 「だって、兵助今までと全然違うしさー」 「…それには、いろいろと訳があるんだよ」 「なにー?」 彼はティッシュで鼻を押さえながら私をじろり、と見た。 私は笑いながら、何かを隠してる兵助に聞く。 「秘密、」 「なんで?」 私は疑問符で返した。 まあ、私にも秘密はあるから良いけどね。 …兵助に言えない、ちょっとした秘密が。 「兵助、」 「なんだ?」 「すきー」 「…う、わ…」 押さえているティッシュから、たらりと血が垂れた。 「あ、」 「う…、私もすき。凄く。」 私は驚いて声を出した。 ティッシュを押さえながら、私を見つめた兵助は、少し赤い顔で、すき、と言ってくれた。 私は、そんな兵助がいとおしくて、口付けをする。 少し鉄の味がする、口付けだった。 -- 100606 やっとおわり! みどりちゃんに送る相互記念! 遅くてごめんね! 喜んでくれると嬉しいな! これからもよろしくお願いします! →おまけ。 << < 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 + > |