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ドカッと土を蹴りあげて地上に顔を出す。ぺっぺっ、口に土入っちゃったよ…最悪。
鬼を倒したはいいけど腹食い破られてしばし回復…とじっとしてたら同じ鬼殺隊の額に傷のある男に見つかってやっばーい☆と思ったらあいつ何したと思う?埋葬だよ埋葬。埋められた。
律儀ぃ…とか思ったけど正直勘弁して欲しい。埋められるまで頑張って死体のふりしてたんだけどそういえば俺死体とそんなに変わりなかった…。あれ、目から汗が…。
まぁいいや。とりあえず土から這い出してパンパン土を払って近くに落ちてた刀を拾う。腹の傷も埋葬されてる間に治ったし、何か食べたいなぁ。




「食べなくても平気なんだけどね」













記憶の始めは土の中。全身にのしかかる地面に必死で地上へ這いずった。ボロボロの着物、周りは森、自分が誰なのかなんなのかまるでわからないまま歩いた。言葉は話せた、常識はあった。無いのは記憶だけ。
そんなこんなで気付けば村は街になり時代も大きく変わってましたー!ふっふー俺死なねーー!!!って事にその時初めて気付いた。老衰が…ない…!?
老いる事を忘れたかのように見た目20歳を維持する体に当然怖くなって何度も自殺を試してみたけどやはり死なずに苦しんだだけだった。老いないから1つの所に長く留まれず、長い間ふらふらと彷徨う生活が長い年月をかけて俺の心を蝕み今の俺を完成させた。
汚い事もなんでもするよ!何回だって死ぬよ!だって死なないから!!
退屈しのぎに鬼殺隊に入って鬼と殺しあって、もしかしたらいつか来るかもしれない最後の日までぶっ壊れたまま進んでく。それが俺だから!!!




「あなたは…!!」




鴉に言われて赴いた地でばったり再開したのは俺を埋めてくれやがった少年…とその後ろのは何?猪?猪なの???なんか黄色い頭の少年が俺を見てガクブルしてるんだけど。汚い高音の悲鳴上げてるんだけど。




「生きてたんですか!?」


「こいつ音がしないよーーーー!!」


「誰だこいつ」




うん、うるさい。いっぺんに喋るな。




しかしこの後何故か4人で鬼狩りをして俺がまたうっかり喰われて腹パン(物理)させたのを見られちゃうのは別の話。齢3桁、そういえば死なない化け物ってバレるの初めてかも。それを拒絶されなかったのも、初めてかも…。




End