0911 不死主
鬼滅の刃
グチ、ぐちゃ…と何かを咀嚼する思わず総毛立つような音が真っ暗な森で響く。そこにはポツンと1人の鬼が1人の男を抱えて腸を貪っていた。
その貪られてる男とは俺の事ですよろしく。あいたたたた。
いやなんで生きてんだって思いますよね?テテーン!なんと俺は不死なんです!こんな風に齧られても死なない!痛いけど!!しばらくしたら元に戻ってる!痛いけど!!!
まぁそんなこんなでわりと長いこと人生送って気付けば齢3桁…ゲフンゲフン。長い人生にスパイスを求めて鬼殺隊ってとこに入ったけどちょっと辛味が強すぎるとこだった。こんな風に喰われるの5回目。
「…っぐ、が!?」
お、苦しがり始めたか。
そうそう、どういうわけか俺を食べた鬼はみんなしばらくすると悶え苦しみ始めるのよね。失礼しちゃうわまったく、ぷんぷん!そしてそれをそのまま放置するとお腹が膨れ上がってぱーん!する。つまり死なないけど戦闘不能にはできる。
「ふいーやれやれ」
しばらく待って腹がぱーん!した鬼の頸に刀を振るった。言っとくけど俺も今腹がぱーん!してるからね。内臓ビシャァ状態だからね?なんてグロホラー。
転がって崩れた鬼の頸と体を見届けてから近くの木の根元に身を寄せる。背骨が見えるほど喰われた腹を回復するために、しばらく寝ないと。
「すごい血の匂いだ…あ!大丈夫ですか!」
なのに額に傷のある少年に見つかった。どうしよ。
End