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0805 個性『狼』主
僕のヒーローアカデミア











私の個性は『狼』。その名の通り狼っぽい事ならだいたいできる。遠吠えも、早く長く走ることも、鼻で誰かを探すことも。見た目にも狼がでてるから昔からよく人に怖がられた。大きくて鋭い目と鋭い牙は周りに人を寄せ付けないにはピッタリで。まぁ、友達がいないのは私の性格のせいかもしれないけど。
それでもみんなと同じでヒーローに憧れて、そこそこ強い個性だからあの雄英高校に入れて、大変だろうけど頑張ろうって決めた。そして入学してしばらく、私にあるとんでもない事が起きた。気軽に話が出来る人ができたのだ。




「グルル…気を付けて帰れよ!」




生活指導を担当するハウンドドッグ先生。
先生の個性は『犬』で、廊下でばったり会った時からお互い何かシンパシーを感じ取ったのかめちゃくちゃ意気投合した。個性が同じイヌ科の動物だからかもしれない。厳つい格好をしている先生にはみんな怖がって近寄らないが、先生は本当はいい人なんだ。




「ハウンドドッグ先生」


「おう、○○か」




興奮すると人語を忘れるというお茶目な1面をもつ先生だけど普段はこんな感じ。普通に喋ってくれる。嬉しい。
先生に声をかけた私はポケットからごそごそと持ってきたものを取り出し、先生の前で広げてみせた。




「あそこのスーパーでビーフジャーキー、特売です」


「なに…!?」




渡したチラシを見て驚きに目を見開く先生にやっぱり知らなかったんだと頷く。これは買いだもん、このチャンスを逃すなんてもったいない。チラシ持ってきてよかった。




「でかした○○!よく教えてくれたな!」


「わぁっ」




笑顔でそう言いながらその大きな手で私の頭をやや乱暴にガシガシ撫で、こうしちゃオられんとちょびっと人語を忘れながら走っていった先生の後ろ姿を見送る。撫でられた頭にそっと手をあてた。




「…へへ」




私もビーフジャーキー、買いに行こう。




End