×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -


0917 秋休みとネタ

どうもお久しぶりですほむらです!秋休みに入りました!!
長かった…試験の連続で死ぬかと思ったけどどうにか終わりました…!!結果は聞かないでください( ˙-˙ )
秋休み初日をウキウキでお家ゴロゴロしてたんですがTwitterでほんと最高に最高なネタをお見かけして是非…是非うちの子で書きたいと思ったので書きますここで←











初期刀達を極修行に行かせられるようになると知った時、俺はすぐに旅支度の準備をした。
少しだけ数に余裕のある旅道具と装束、なかなか手に入らないせいでいつもはない手紙一式を押入に入れたまま1度も使ったことがない綺麗な風呂敷で包み、そっと机に置く。使うのが今日か明日かわからなかったが、俺は1人あいつが来るのを待った。




「…入るぞ」




政府からの報せを受けてから5日後。ようやくいつもと違う様子で俺の部屋を訪れたそいつに、俺は取り乱すことなく落ち着いた様子で主らしく迎え入れ、笑顔でにこやかに穏やかに包んだ風呂敷を差し出した。大丈夫、言いたいことはわかってる。




「ま゛んばいがないでええ゛えええ゛ええ゛!!」


「な…!?」




かっこ格好つけるのは無理でしたかっこ閉じる。
いやあああ無理いいいまんばがいないとか無理!何がどうとかじゃなくて無理!寂しくて死ぬ!!!だって仕方なく無い!?俺ヘタレで情緒不安定だし!?情緒不安定主だし!?おびゃぁぁむりやだまんばいがないでええええええ!!!




「ちょっと主!泣かないって俺と約束したよね!?」


「そうだよ主、それに泣き声が雅じゃない」




背後の押入に隠れて潜んでいた加州と歌仙が呆れ顔で出てきて半べそをかく俺の肩やら頭に手を置き、まるで慰めるように撫でる。




「主にほがな顔でいられたち、山姥切も行きづらいにかぁーらんが!」


「まったく…1人1人そんなに泣いていたらきりがないだろう」




陸奥守と蜂須賀も横の押入れから出て俺を窘めるか慰めるかしてくれる。
それでもやっぱり寂しい。寂しくて寂しくて仕方ない。だってまんばは初期刀なんだ、1番初めに俺が選んだ刀なんだ。最初で最後の、俺が選んだ刀。




「だ、だがらっ、まって゛…おれ、まっでるがら…!帰ってぐるのっ、修行おえでぐるのまってるがら゛ぁ…!!」


「…っおれは…」




堪えきれずにぼたぼた零れた涙とひどい鼻声でまんばを送り出すには我ながら酷い顔だと思うけど、どうか笑って許して欲しい。それぐらい寂しいんだ。




「俺は、写しだが……」




まんばのいつもの卑屈そうに言う自虐の雰囲気がいつもと違う事に違和感を覚える。どうしたんだろう。怒ってる?




「俺は、写しだが…っ必ず帰ってくる!」


「っっっま゛ん゛ばぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」




修行に旅立つ送り出しがこんなんじゃ我ながら行きづらいと思うが、それでもまんばはしっかりと、引き締まった顔をして修行に向かった。














「主、しっかりしてください!」




ハッとして顔を上げると焦りの浮かんだ長谷部の顔で自分が夢を見ていたことがわかる。壁にもたれて休憩していたつもりがいつの間にか寝てしまっていたようだ。




「ごめん長谷部…大丈夫、寝てただけ…」


「いえ、それなら…俺は、てっきり、」




長谷部はそこでハッとして口をつぐんだが、その先が容易に想像できる。今の俺はそんなに死にそうな酷い顔をしているのだろうか。




「っいて…!」




立ち上がろうと腕に力を込めた時、電撃のように走った激痛に思わず左肩を押さえてうずくまる。慌てて長谷部が駆け寄ってきてくれたが、今は俺1人が休んでいい場合じゃない、みんなの所へ行かないと。




「…状況は?」




立ち上がって大広間へと足を進めながら戦況を聞くも、ホントはあまり聞きたくない。きっといい返事は聞けないだろうから。
時間遡行軍がこの本丸へ攻めてきてどれほどが経ったか、もう時間の感覚がなくなってきた。初めはまだ戦っていたっけな。




「…現在三日月宗近、大典太光世で結界を張り敵を凌いでいますが状況は…あまり、よくありません」




やっぱり、いい返事は聞けなかった。
突如襲ってきた敵の強さに俺が切られた辺りから結界を張っての防衛戦になったが救助がくる気配は一向にない。時の政府に連絡は取ったが、きっと他所の本丸でも同じことが起こっているんだろう。それなら俺もここで頑張らなきゃいけない。




「あ…」




目眩にふらついて壁にぶつかる。切られた肩と寝不足な頭が痛むが…俺は、主なんだ。しっかりしないと。こんなとこで休んでちゃ…みんなのところへ…




「はせ…」




手を借りようとする俺の言葉を遮ったのは、結界が砕け散る音と雄叫び。すぐさま長谷部が飛び出して言ったのが見えたが、他のみんなは無事だろうか。どうか無理をしないで欲しい、戦って勝てないなら逃げて、それで無事でいて…
そう思った刹那、背後に気配を感じた。




「…俺も、終わりかなぁ…」




膝をついたまま気だるげに振り向くと、長い髪に歪なほど大きな体、そして角をもった時間遡行軍の1人が俺を見下ろす。




「ったく…人の家に土足であがりこんで…」




力を振り絞って立ち上がるも、俺ではこいつらに勝てない事なんかとうにわかりきってる。それでもへたったままやられるなんて情けないからな、せめて少しでも主らしく…男らしく、迎えなければ。最後の、時を。
向き合ったその手に握られた刀が振り上げられた。




あぁ、最後にまんばに会いたかったな。




「なに諦めてる」




聞き覚えのある声にハッと目を開けると目の前にいるのは敵…が、倒れた後ろから現れた見覚えのあるフードに、姿に、雰囲気…
そう、俺の初期刀、山姥切国広だった。




「ま、まんばぁ…!」


「必ず帰ると言ったろう」




風でめくれたフードの下から柔らかな笑みを浮かべた顔で、声で、俺のピンチに現れたうちの初期刀は、その後あっという間に敵を倒し、我が本丸存亡の危機を救ってくれたのだった。




End




まんばちゃん尊い…修行終わったばっかで練度とかゼロなのは気にしない方向で!
みなさん台風ですがどうかお気を付けて!