×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -


0203 更新
短編に更新しました獄都事変です。シリアスです。シリアス()です('ω')
完璧ハピエン脳なので話もシリアス(笑)だし結局最後ハッピーエンドにしたかったしで以下ハッピーエンドな蛇足ですよかったらどうぞ↓









温かい滴が耳を伝った時、一瞬世界の全てが止まったかのように思えた。




「...え」




そして次の瞬間我に返り、今までとは違う事に気付く。




「...きの、した」


「〇〇...ごめん、〇〇...」


「木舌...謝るなって言っただろ?」




え?と俺の顔を見る木舌の顔の酷さに思わず笑いがこぼれる。涙でグシャグシャ、きっと俺の顔も同じぐらい酷いんだろうな。いや、俺の方がひどいかもしれない。




「〇〇...?」


「聞こえてるよ」




恐る恐る俺を呼ぶ木舌に笑顔で答える。さっきから止まらない涙のせいで木舌の肩口がびしょびしょだ、早く洗わないと。




「聞こえてるよ木舌...」




でもまだいいかな。予備の服はあるだろうし、明日はそれを着てもらおう。
もう1度聞こえてるよと微笑めば、木舌はさらに泣き出した。




「...奇跡だ」


「かもな」




嗚咽をもらしながら泣く木舌に、そんなに泣くなとは言えない俺なのだった。いいよな、今日くらい。