酒は飲んでものまれるな

飲み比べをしようだなんてばかなことを言い始めたのが誰だったかなんて、いまとなっては全く覚えていなかった。
三人が飲み交わすクラブのルームで一瞬のうちにシャンパンボトルが空く。そしてスムーズなペースで空いた2本目のボトルはウイスキー、それから3本目のラム酒の瓶が空いたとき、ほとんど同時にマコトとアサヒが机に突っ伏した。

「気持ち悪い、お手洗い行く・・・」

正直2本目のウイスキーの時点で限界が近かったが、涼しい顔で琥珀を舐めるタカシに対して意地になってバカルディのボトルを注文をした過去の自分をアサヒは殴りたくなった。勝てるわけがないのなんて最初からわかっていた。ラベルに描かれたコウモリの絵柄が悪魔に見える。
そう思いながら半ば這うようにトイレへと向かったアサヒを追うようにマコトも吐きそうとだけ言い残して席を立った。
ふたりを見送ったタカシは、ゲームに勝ったのは自分なのに代金を支払わされるのか、と呆れながら店のスタッフを呼ぶ。そしてふたりからは後で多めに徴収してやると思いながら会計を終え、席で酔っ払いの帰りを待った。しかし待てど暮らせどどちらも戻ってくる気配はない。しびれを切らして席を立ち、トイレへと向かった。
するとトイレの前で互いにもたれかかり座り込む男女がいた。こうなる前に負けを認めればいいのに、そうしなかったのはタカシを潰してみたいというふたりのくだらない意地の結末だ。

「お前ら邪魔だぞ。立て」

置いて帰ってもよかったが、生憎ここの店のマスターはタカシの知り合いだった。ゴミを置いて帰ったら迷惑だろうと思ったし、それに飲み比べを止めさせなかった自分にも多少の責任はある、と考え仕方なくアサヒの腰を抱いて立ち上がらせる。マコトもつられてなんとか立ち上がった。すると無理矢理立ち上がることになったアサヒから呂律の回っていない抗議があがる。

「ムリ、ムリ、揺らさないで」
「お前たち何年酒と付き合ってるんだ、1年禁酒しろ」
「うん、もうお酒一生飲まないから・・・」

そしてもう何度聞いたかわからないそんな誓いを聞く。
酒に対しての懺悔と呪詛を交互に吐くふたりを引きずるようになんとか店を出た。あとはふたりをタクシーに押し込んで帰ればいい。マコトだってタクシー代くらいは自分で払えるだろう。痛い出費は自業自得だ。車を捕まえるべく大通りへ足を進めようとした。

「あーダメ、おれもう吐く・・・」
「わたしももうダメ、ムリ、あそこ入ろ」

しかしマコトが立ち止まる。アサヒもつられて立ち止まり、あたりを見回したかと思えば斜向かいにあった煌々とした看板を指さした。派手な看板とは裏腹に薄汚れて暗い建物。ラブホテルだ。さすがのタカシも呆れ果てた。

「お前、正気か」
「だって、むりだから、いいよね」

吐き気でもうなにも考えられないマコトも何も言わずにアサヒの考えに同意し早足でホテルへ向かい出した。どうしようもないふたりを置いて帰りたいのもやまやまだったが、大事なアサヒをマコトとはいえ別の男とホテルでふたりきりにするのも癪だった。周りに人がいないのをよく確認すると、ため息ひとつをついてさっと狭い塀の隙間をくぐる。

「3人入れますか」
「3人分、前払いするならいいですよ」

そして顔の見えないカウンターの女に話しかけ、宿泊料金をやりとりして鍵を受け取った。だらだらと後から入ってきたふたりは待合室のソファで折り重なるようにぐったりとしている。もうどうにでもなれとタカシは珍しくやけくそな気持ちでエレベーターのボタンを押してふたりを密室の中に押し込んだ。

「タカシ、だっこして。歩けない」
「おれも」
「もう二度とお前たちと酒は飲まないからな」

それから甘えて垂れかかってくるふたりの腕を引いてエレベーターを降りた。そして部屋の鍵を開けてやるとふたりは靴を脱ぎ散らかしながら雪崩込むように入室してマコトは再びトイレに消えて行き、アサヒは服がシワになるのも気にせずベッドに倒れ込んだ。
惚れた弱みは本当に厄介だと思う。こんなに振り回されても親友とこのろくでもない女のことが嫌いになんてなれずため息をついた。
そして自分も靴を脱いで部屋に上がると、ベッドの下半分で丸くなり倒れているアサヒのジャケットの裾に手をかける。皺にならないようにという気遣いだ。しかし酔っ払いにその意図は伝わらない。

「おい、アサヒ。ジャケット脱げ」
「やーだぁ、えっちぃ」

挙句にくすぐったそうに笑うアサヒの顔にむっとしつつもなんだか煽られた。本当に彼女の言うえっちなことをしてやろうかと思い、タカシも多少なりとも自分が酔っていることに気がつく。そもそも素面だったら、なんとしてもふたりをタクシーに押し込んでいた気がする。
そしてそう思ったが最後、背後の気配を伺う前に彼女の上に覆い被さりキスをしていた。酒で火照った熱いくちびる、少しアルコールくさかったがお互いさまだとそれを甘噛みする。
そんなキスにさすがのアサヒもほんの少し正気に戻ったのか、いやだと僅かながらの抵抗をした。しかしそれさえ煽ることにしかならない。ちゅ、ちゅ、と甘いキスから抵抗の声を漏らすため僅かに開かれた唇を更に舌でこじ開け、その奥にある彼女の舌を舐めた。

「ん、やだ、あ、マコト、がぁ・・・」

しかし彼女がもらした甘い声が呼んだ名前にハッとして唇を離す。そしてゆっくりと振り向くとそこには困った顔のマコトが立っていた。顔が青いのは酔いのせいかキスを見てしまった気まずさか。
しかしなんだか全てがどうでもよくなってしまったタカシがアサヒをベッドの上までずりあげるとマコトを招いた。

「そこに立って見てるだけでいいのか」

その言葉が挑発なのか優しさなのか理解出来なかったが、奥に潜む意図にだけは気がついてマコトはゆっくりとベッドに近づく。
彼にとってアサヒはかわいい妹分だったが血の繋がった妹ではないことは重々に理解していたし、出会うタイミングさえ違っていれば好きになっていただろうとも思っていた。
恐る恐るベッドに這い上がり、潤んだ瞳で自分を見つめるアサヒの頬に触れた。火照ったからだがびくりと揺れる。それを落ち着かせるよあに親指で柔らかな輪郭をそっとなぞった。
未知に対して怯えてはいるようだが、明確な拒否はない。アサヒだって恋心はなくともマコトに嫌悪感がないから酩酊していたとはいえなんの抵抗もなくホテルへ行こうとマコトの前で口にしたのだ。ふたりの不可侵の境界線はあっという間に崩れ去った。

「・・・アサヒ」
「っ、マコト・・・」

そしてそっと触れるだけのキスをした。ふたりにはこれで充分だった。互いにまるで中学生のようだと思う。タカシはその様子を見て、まるで健全なカップルを見ているように思えて覚悟していた以上の嫉妬にかられた。幼い頃から共に過してきたふたりの絆と比べたら、自分とアサヒの関係性なんて蜘蛛の糸のように細く、それでいてひどく歪に思える。そう思ってしまった男の抑えきれない殺気混じりの視線に気がついてふたりは2回目のキスをやめた。

「タカシ・・・」
「おい、大丈夫か。いまなら・・・」
「・・・っ、こんな状態のアサヒ置いて帰るなんて、言わせないからな」

だがそんな嫉妬の先にタカシはなにがあるのかをなんとなく知っていた。取り繕って笑い、アサヒの太ももに触れる。彼女は熱い吐息をもらして、下半身が期待で震えた。タカシが触れたら興奮するようにアサヒはよく躾られている。マコトがごくりと生唾を飲み込んだ。

「っん、タカシ・・・こわいから、手握って・・・」

そしてタカシが未知の嫉妬を乗り越える言葉はそれで充分だった。この状況に置かれたアサヒが迷わず頼ってきたのは自分だったのだ。
ヘッドボードに寄りかかって足の間に座らせ、両手を握る。されるがままのアサヒは、この世にこれ以上安心する監獄はないと思った。
それからふたりはマコトを見つめた。準備が出来たのだ。彼はまだ心配を顔に滲ませながら、そっとアサヒの胸に触れた。
しかし不安や心配とは裏腹に、あれだけの長い間一緒にいて聞いたことがなかった甘い喘ぎ声に脳が痺れる。男ふたりで協力してそっと彼女の服を脱がしてベッドの下に落とした。

「アサヒ、嫌だったら言えよ」

そして僅かに残る理性がそんな言葉を口にさせつつ、柔らかい胸の中に顔を埋める。甘噛みして、舌で舐めて、左手でもうひとつの膨らみを揉む。右手はずっとスカートのしたの白い太ももをさまよっていた。
初めての女とするときは、気持ちよくさせてやれるかどうか不安で緊張するものなのだ。探るような優しく控えめな愛撫。

「ん、んん、っふ」
「アサヒ、ちゃんと啼かないと駄目だろう」

そんなもどかしい刺激に下唇を噛んで耐えていたアサヒだったが、それに気がついたタカシが片手をほどいて、口元に手を持っていく。そのまま親指を口の端に差し込んで無理矢理口を開いた。

「ん、はずかし、ぃ、からっ、きもちくて、こえが、あぁ」

そしてそんなアサヒの溶け切った声が降ってきたのを皮切りに、とうとうマコトのさまよっていた右手が唯一残っていた下着に手を触れた。湿った熱気に興奮して我慢できない吐息を漏らす。
それに満足したタカシがそっと口元から頭に手を移動させ柔らかな髪を撫でて首筋を露わにするとそこに口付けた。

「っんや、あぁ、だめ、きもちい、ぁあ」

そしてマコトが下着のさらにその下の秘部に触れた。堰を切ったように羞恥を忘れて喘ぐアサヒに気を良くして最後の砦の下着も脱がせる。

「きもちいいか、アサヒ。指挿れるぞ」
「ぃ、いいよ、っあぁ、マコ、トぉ」

まずは控えめに指を出し入れさせて慣らす。アサヒの声が自分を呼ぶたびに興奮した。タカシの片手が手持ち無沙汰だと言わんばかりに胸の先をつまんだ。だらしない声しか出ないアサヒの唇を心底愛おしそうな顔でマコトが啄む。
そのうちに指がさらに奥に入り込んでいい所を撫でた。瞳の奥に火花が散って息が詰まったのを彼はキスの合間にも見逃さなかった。

「ここか、アサヒのきもちいいところ」

指の腹でそのざらりとした内側を擦れば半ば悲鳴のような喘ぎ声を漏らした。イく、と泣きながら言って足の指がきゅ、と丸まる。それから絶頂を迎えた彼女の満足気に甘い吐息。
アサヒがセックスが好きなのはなんとなく察しがついていた。しかし素直に快楽を享受する快楽に従順な女を目の当たりにしてマコトはもう欲望が抑えきれなくなった。シーツを掴んでいたアサヒの手をとり自分のパンツの上の膨らみへと持っていく。

「アサヒ、アサヒ。もう我慢できない、最後の逃げ道だ。受け入れてくれるなら脱がせてくれ」
「っあ、ぅ・・・ナカ、欲しいよぉ」

すると潤んだ瞳でアサヒは彼を見上げ、もう迷わず下着に手をかけた。
指だけじゃ満足なんて出来るわけがなかった。マコトがタカシを見ると彼も興奮を滲ませて笑っている。ふたりの許可を得たと見て、マコトはゴムに手を伸ばそうとした。しかしアサヒはそれに気がついていやいやと悲しそうに首を振る。

「こら、ゴムつけなきゃダメだ」

いくらアサヒが望んだとしても、父親が自分かタカシかわからない子どもが出来るなんてまっぴらごめんだった。しかしアサヒは顔を真っ赤にしながら消え入りそうなほど小さな声で欲望を口にする。

「ぴ、ぴる、のんでるから、だから、なまで・・・」

少し驚いて目を細めた。そして本当にいいのかと訊けばアサヒが小さく頷く。わかったという言葉の代わりに頬に優しいキスを落とした。
そのやり取りを見終えたタカシがアサヒの頭を撫でてやたらと甘い声で囁く。

「マコトに気持ちよくしてもらえてよかったな、アサヒ。おれはまだ全然気持ちよくなってないのに」
「っ、う、タカシ、のも気持ちくしたい・・・」
「そうか、いい子だな」

うわ、口車にうまく乗せられてる。そうマコトは思ったが何も言わないでおいた。アサヒが自分の欲望を受け入れてくれるよう、いいように誘導したのはお互いさまだ。
アサヒは自ら四つん這いになってお尻を突き出しつつ口はタカシのモノを求めに行く。そっとそれを取り出して、まずは優しく口付けた。タカシの片手とアサヒの片手は未だにしっかりと手を繋がれている。それからタカシはももうひとつの手でアサヒの頭を撫でていた。
その様子を見ながら、マコトはそっと彼女に囁く。

「挿れるぞ。アサヒ」
「ん、っんん、ぅん」

しかし口が塞がっているせいで鈍い声しか戻ってこなかった。だがそれは充分な肯定に違いない。そうまこは解釈をして細い腰を掴むと怒張を割れ目にあてがいぐっと押し進めた。
待ち焦がれたそれにアサヒの頭が快楽で真っ白になる。腰が跳ねてナカが締まった。興奮で腰を持つ手に力がこもる。腰の動きを早めた。彼女のナカは柔らかく絡みついてきて、時折痛いくらいに締まる。

「お前、挿れただけでイッてたら身体もたないぞ。我慢しろよ」
「っん、ぐっ、あん、あっあっ、駄目、や、あ、だって!おっきぃ!っ!」
「おい、口離すな。気持ちよくしてくれるんだろ」

そしてマコトの言葉に反論しようとアサヒがとろけた顔を上げた。けれどタカシはそれを許さず、優しく頭を撫でていた手が彼女を無理矢理押さえ込んだ。大きな硬い膨らみが喉奥にあたって苦しみに嘔吐く。
しかし苦しみと快楽の見分けがつかなくってナカがまた締まった。かわいい幼馴染がもうどうしようもないくらい壊れてしまっているのに気がついて、マコトが苦し紛れに文句を吐いた。

「タカシ、お前、アサヒの身体めちゃくちゃにしやがって!」
「元からこうだった。なあ、アサヒ。どうしようもない変態なんだよな。叩かれるのも大好きだしな」

欲望でぎらぎらとした目がまたマコトを挑発した。痛みに対する期待でアサヒが溶ける。
そう言うならば、と腰を振りながら掴んでいた手を離すとそっと引き締まり柔らかい丸みに触れた。本当に叩いていいのかという迷いでまずは撫で回すだけ。期待に満ちたくぐもった喘ぎ声が漏れる。

「っん、ぐ、ぁ、ぐ、んん!」
「マコトは優しいな。でもお前は叩かれたいんだろ。叩いてくださいって、ちゃんと自分でおねだりしないと」

そして髪を掴むとフェラを中断させる。唾液の糸がつぅと後を引いた。酔いと快楽で酷く順応になったアサヒが振り向いてマコトに懇願の眼差しを向ける。

「た、たいてください!っあ、いた、いの、すきなの!ひどくして!」

かわいいアサヒが可哀想な反面、酷くして欲しいと彼女の全てを委ねられたことにかつてない興奮をマコトは覚えた。静かに手を振りあげると、思い切り振り下ろしてばちんと叩く。彼女が一際大きな声で啼いてぎゅっとナカが締まる。

「っ、変態。知らなかった、アサヒ。お前、本当にどうしようもないな。男ふたりに虐められて気持ちよくなるんだもんな」
「っう、うん!きもちいの、へんたいなの!っあ!きもち、ん!」

もう一度振り上げた手を振り下ろせばタカシが残酷な笑みを見せて溶けたアサヒの顎をとって上を向かせてキスをする。

「アサヒ、この後おれのも相手にするんだぞ。くたばるなよ」
「うん、んっあぁ!だいじょぶ、いっぱい、きもちく、っなりたぃから、ぁ!」

その答えに満足してもう一度キスをして、舌に噛み付く。マコトが腰を振りながら胸の頂を強くつまんだ。悲鳴じみた喘ぎ声が響く。
しかし久しぶりに生でしたせいと、酒のせいでもうマコトは絶頂を迎えそうだった。もったいないなと思いつつ、あとで2回目もやらせてもらえばいいやと思う。彼女の身体は限界かもしれないが、いっぱい気持ちよくなりたいと言ったアサヒの自業自得だ。

「っ、アサヒ!ナカ、出すぞ」
「あ、ほし、あ、ん!あぁっ!」

アサヒがタカシと繋がれた片手をぎゅ、と強く握った。それから身体の奥深くにどくどく温かい液体を注ぎ込まれたのが心地よくて、甘い吐息を漏らしてぐったりと倒れ込む。マコトも熱い息を漏らしながらその身体の上に倒れ込んだ。

「アサヒ、かわいかった」

そんな彼が熱い息を漏らしながらそういえば、アサヒはぐったりとしながらも嬉しそうに笑う。そんな顔の傍にマコトは近寄って、頭を撫でながらまた触れるだけのキスをした。
そしてそんな緩やかな甘い空気に耐えられなくなったのは普段は冷静沈着なはずのタカシだった。アサヒの身体を無理矢理引き寄せ白濁を垂らす秘部に遠慮なく指を突っ込んで掻き出す。嫉妬と興奮が入り交じって壊れそうだったのだ。アサヒがまた啼く。冷たくタカシが告げた。

「ほら、休憩は終わりだ。くたばるなって言っただろ」

そのまま待ちきれない欲望を容赦なく穴に挿れた。
マコトは一瞬だけアサヒがかわいそうだと同情したが、ねじ込まれた欲望に嬉しそうに啼く彼女が変態だったことを思い出して先程まで彼女のナカにあったそれをアサヒの口に宛がうことにする。

「アサヒ。掃除、出来るよな」

泣きそうな顔で喘ぐ彼女が言われるがままに咥えた。タカシに与えられる快楽の狭間の中での、一生懸命な拙いフェラに興奮してまたすぐに勃ち上がりそうだとマコトは自分の唇を舐めながら思った。
もはやこの時、二度と酒を飲まないなんて誓いは快楽の遥か彼方に追いやられて戻って二度と戻ってきそうになかった。
それから三人は、半ば気絶するように眠りにつくまで、快楽を貪り続けたのだった。



朝、いちばんに目を覚ましたのはマコトだ。身体は二日酔いで鉛のようだったが昨日の痴態を思い出してばね仕掛けのように起き上がる。慌てて自分を確認すると半裸だったが下着はかろうじて着ていた。横を見ればタカシも同じ自分と同じ半裸で、アサヒはバスローブを羽織りふたりくっついて眠っていた。
痛む頭を抱える。昨日のアレは酔いがみせた夢だったのか、はたまた現実だったのか正直見分けがつかない。しかしあれが現実だと認めれば、二度と元の世界に戻れない気がした。もう忘れよう、そう思いながら異様に重たい身体を引き摺ってシャワーを浴びに向かうのだった。


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