池袋サディスティックス

これは永遠の夏が終わり、一瞬の秋が過ぎに冬に入って少しした頃の出来事だ。
非情になりきれないグレーゾーンの女王が池袋の女の子たちを救った話。おれは正直、あいつに女王なんて肩書きが似合わないと思っていたが、そんなことないとこの日をきっかけに認識を改めたんだ。
あの事件の話を出すと彼女は恥ずかしいからやめて、と照れたように笑うが一応はしたためておこうと思う。
この話の始まりはうんと冷え込んだ朝だ。舞台の場所はもちろんおれの実家の店先。みかんに苺、りんごやキウイに柚子。ヒーターを焚いた店先にはその日もいつもと変わらない甘い香りが充満していた。


前 /
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -