24.protect


side 一護


その日は雨で
その前の日も雨で
そのまた前の日も雨で。


「あれ?」


おかげで川の水はけっこう増水してて。

それなのにその女の子は傘もささずにフラフラと、
今にも飛び込みそうなカンジで川べりに立ってて。


「あ…」


そして

当時の俺は
生きてる人間と
死んでる人間の
見分けがつかなくて。


「ちょっと待ってて、母ちゃん」

「え?一護!?」


最初はおふくろを守りたいと思った。

妹が生まれて守る対象が増えた。

守るために道場に通い続けた。

少しずつ強くなった。

もっともっとたくさんのものを
守りたいと思うようになった。


「ダメ!一護!!」


それが、おふくろの最期の言葉だった。


「か…母ちゃ…」


原因はわからない。

どこかで切ったのかもしれないし、
どこかにぶつけたのかもしれない。

でも

俺を助けようと
そうなったことは明らかで。

そして女の子は消えていて

おふくろが大好きだった。

俺だけじゃない。

その頃まだ4つだった遊子も夏梨も。

親父だって
おふくろが大好きで。

つまるところその頃のウチは
おふくろを中心に回ってた。

その中心から
俺がおふくろを奪い取ってしまったんだ。




俺がーーーーーー…!!





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