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side 零美


突然、お守りが割れた。


『…!!!』


これは、ルキアの霊圧が途絶える事を意味してた。


『に……兄さん……!!!』

「ん?どうした、愛桜」

『ル、ルキアの霊圧が…!!』


私が今にも泣きそうな顔で兄さんの元へと行くと、
兄さんは理解したのか表情に焦りが出た。


「至急、山本先生の所に行かなくては…、っゴホゴホッ!!」

『兄さん!』


兄さんの体は弱い。
こう言った急な出来事だとすぐに喘息を起こす。


『私が爺ちゃんの所に行ってくるから、兄さんは休んでて!』

「ま、待ちなさい!愛桜!!」


兄さんの静止も聞かず、私は爺ちゃんの元へと飛んだ。


『山本総隊長に会わせて!』

「ならぬ。お前如きが会えると思うな」

『緊急事態なの!!そんな事言ってる場合じゃないの!!』

「出来損ないに総隊長殿がお会いしてくれると思うな!」

『っ…!!縛道の…!!』

「何をしているのですか?」

「…!!卯ノ花隊長!」

『卯ノ花さん…』


縛道で動けなくしてやろうかと思ったら、
後ろから卯ノ花さんが来た。
勇音副隊長は一緒じゃないんだ。


「あら、愛桜さん。お待たせしてごめんなさいね。緊急事態だと言うのに」

『え?』

「何をしているの?早く総隊長に会わせてちょうだい?急いでるの」

「し、失礼しました……」

「さあ、行きましょ」


卯ノ花さんと一緒に一番隊隊舎に入る。


『あの、卯ノ花さん?』

「どうしたのですか?さあ、早くお行きなさい」

『!!ありがとうございます!!』


優しく微笑んだ卯ノ花さんを見て、私は走り出した。


「本当にそっくりな背中ですね、逢沙さん」


『爺ちゃん!!!』

「これ、愛桜。ノックをしろと、いつも言うておるじゃろう」

『ルキアの霊圧が途絶えたの!!』

「……なに?」

『ルキアに何かあったの!!ルキアは十三番隊の中でも強い方だから、絶対に何かあった!!ねぇ、どうしよう!!』


ルキアが私と友達で仲がいいことは爺ちゃんも知っている。
爺ちゃんは少し唸ってから答えた。


「探しに行くか?」

『………え?』

「美園愛桜。お主に、朽木ルキア捜索の命を下す。よいな」

『!!!ありがとう!爺ちゃん!!いってきます!』

「これ…。はぁ……見つけ次第、帰って来いと言うのを言い忘れたわい」


私は隊舎に戻り、支度を始める。


『兄さん。現世で一人暮らしできそうな所ない?』

「それなら、いい所があるから……。ここに行きなさい」

『うん、わかった』

「気をつけるんだよ」

『うん』

「お前は斬魄刀を使わせてもらえない。本当は俺が先生に頼みたいんだが、すまないな」

『大丈夫だよ』

「気をつけて」

『うん、いってきます』


荷物を持った私は、穿界門を潜り現世へと向かった。


「……愛桜ちゃん、大丈夫かね」

「いたのか、京楽。……ああ、大丈夫さ。なんせ、愛桜は俺の妹であり、美園家最後の当主だからね」

「…だよね」



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