※似た者同士ってかの続き。


合宿に来たはいいけど仕事有りすぎ。あの跡部って人金持ちならメイド連れてこいよ。なんで俺が二校も担当しなきゃなんないわけ。あれか、男だからか。男だからって多少無理させても大丈夫だとかそんなこと思ったのか。見た目はこんなんだが中身は立派なレディだぞ。丁寧に扱いたまえ!なんて言えるはずもなくただ一人ドリンクの準備。


「あの、」
「は?」
「怪我、してもうたんやけど、手当てしてもろてもええやろか?」


それくらい自分でやれ!といいたい所だが俺はマネジ。選手のサポートが第一だ。


「ん、分かった。そこ座って。」


すまなそうに近くに座ったのは確か四天宝寺の忍足謙也だった気がする。浪速のスピードスターとかなんとかほざいてたような、そうじゃないような。まあどっちだっていーや。


「…やっぱ自分、手当て上手いなあ。」
「は?」


何この前も手当てしてもらってみたいな言い方。俺の記憶が正しければ忍足と俺は初対面のはずだ。


「そんですぐ顔に出る。」
「なんなんだお前。」
「あーアカンで。そないな口調はアカン。可愛げがない。あと謙也って呼んでや。」
「ふざけてんのか、」
「髪はなんや白石みたいな色やなあ。これ地毛?俺は黒のが好きやったけど。」


にこにこと笑いながら意味不明なことを言い続ける忍足。わけわからん、何が言いたいんだこいつ。


「まだわからんの?鈍感なとこも変わらんなあ。」
「うざい。」
「あ、このキズまだ残っとるんや。身体は変わっても残るって不思議やね。でも懐かしいわ、これコハクに引っ掛かれたやつやろ。」
「!」


なんでその事を知ってるんだ。腕にある十字のキズ。前世での飼い猫コハクにつけられたものだ。俺は今猫なんて飼っていないし、コハクって名前だって誰も知らないはず。まさか、まさか、


「やっと気付いたん?」


ふわりと笑うこの人は、


「会いたかった、ずっとずっと、会いたかったで  」


やっぱり私の愛しい貴方。俺の前世での名前を呼ぶ。その優しい声に涙が零れる。ずっと会いたくてずっと謝りたくて、ずっとずっと、待っていた。


「相変わらず泣き虫やなあ。」
「……っ」


クスクスと笑って俺の瞼に彼は口付ける。くすぐったいその感じに思わず笑みを溢した。やっと笑った、って微笑む彼は姿は違えどやはり彼で。


「もう離さへん。」


私も離さない離れない。

初めまして、久しぶり

会いたかったよこれからもよろしくね。






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