08





「もう!マリナったらなんで教えてくれなかったのよ!」
「そうよ!寂しいじゃないの」
「ごめんねサクラ、いの」


ご意見番のお二人に話をしに行ってから一週間経った今日、カカシ先生は大々的にあたしとの婚約を発表した。
みんなからはおめでとう、やうらやましいなんてお祝いの言葉と同時になんで言わなかったのかって問い詰められるわけで。なんか恥ずかしいけど、でもやっぱり嬉しい。


「今まで修行修行ってうるさかったくせに、影でこそこそカカシ先生と愛を深めてたってわけね」
「べ、別に深めてなんか…」
「でもなんで今まで隠してたわけ?」
「…それは、」


あの後、カカシ先生とやっと面と向かって話し合って、改めて本当の気持ちを伝えた。そしたら先生は、ごめんって言葉と一緒にちょっとだけ赤くなった顔でちゃんとプロポーズをしてくれて、あたしは素直にうなずいた。

隠してた理由も、これから起きるかもしれないことも話し合ったうえで、先生はもう隠さなくていいよって、あたしが話したかったらその理由も話していいよって言ってくれた。でも、今までずっと隠してきたからなのかはわかんないけど、全部をみんなに話す気はなんでかなくて。
それはやっぱり、あたしとカカシ先生だけの秘密にしてたい、そう思う。


「…ま、いろいろあったんだ。先生はモテるからね」
「それは私も何回か身近に見てるから知ってるけど…でもマリナ、本当にいいの?」
「なにが?」
「なにがって…。カカシ先生は火影様だし、新婚なのにあんまり一緒にいられないんじゃないの?」
「…それもそうよね。サクラの言う通り、マリナ寂しくない?平気?」


心配そうにあたしを見る二人になんだかぽかぽかと心が温かくなった。

この二人はあたしの自慢だ。強いし優しいし可愛いし面白いし、何時間話してても話題が尽きないしなにより一緒にいてとても心が安らぐ。いつも自分の話はしないあたしを心の底から心配してくれて、今はあたしの身を案じてやっぱり心配してくれてる。この二人は、あたしの一生の宝だ。


「サクラ、いの。あたしは平気だよ、心配してくれてありがとう」


そう言って笑うと、二人は顔を見合わせて安心したように笑った。これだけであたしのことをわかるなんて、やっぱりこの二人は唯一無二の親友だ。


「ま、寂しくなったらいつでも声かけてよね。飛んでってあげるわ」
「はは。ありがとう、サクラ」
「また女子会しないとねぇ。今度はマリナの話を聞かないと」
「…なんか怖い」


あたしがそういうと二人は笑ってそれじゃまたね、って帰っていった。
「マリナがカカシ先生と結婚かぁ」「先こされたわねデコリンちゃん」仲がいいからこそできる二人のそんなやりとりが昔から大好きだ。そんなことを思いながら火影邸へと足を進めた。



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