「それでね!サイったら”僕はいの以上の美人さんに今まで出会ったことがないよ”なんていうのよ!もうどうしよう!ねえ!」
「はいはい、ごちそうさま」
「ちょっと!真面目に聞いてんのサクラ!?」「聞いてる聞いてる」
そんなやりとりをする親友二人に苦笑いをしながら目の前のあんみつを頬張った。
なんだかんだ言いながらサクラもあたしやいのにナチュラルにサスケの事を惚気てくるからイーブンってとこだろう。いいなあ、親友や友達や仲間にこうはっきりと幸せだって言えるのって。そんで聞いてるこっちまで幸せになれるし。なんだか今日はいい日だなぁ。
「で?マリナはどうなのよ」
「へ?どうって?」
「恋よ、恋!あんたちゃんと恋してんの?」
「…そうねぇ」
そんな風にぐいっとあたしをのぞき込むサクラ。んー、こういう時はなんて言えばいいのかな。
とはいいつつも、いつも答えは決まってるんだけど。
「してないよ、そんなの」
「えー、またそれ?ハタチの女の子の言うこと?」
「今は恋とかより強くなりたいかなー、なんてね」
「はあ?もう十分強いじゃないの」
「そういえば、この前ナルトがマリナとはやりあいたくねェ、ってぼやいてたわよ」
「私もそれ聞いたわよサクラ。あのナルトでもやりにくい相手がいるのねぇ」
「…ま、そういうわけだから。そんじゃあね」
「え?どこ行くのよ」
「修行」
食べ終ったあんみつのお代を置いてそそくさと甘栗甘を後にする。
暖簾をくぐって外に出ると、なんか嫌味なほどの快晴で今日は修行日和だなぁなんてのんきなことを考えながらうーん、とひとつ伸びをして演習場に足を進めた。