04





「…ん?」


二件目のAランク任務の帰り道。
思いのほか早く済んだから先に帰ってご飯作って待ってられる?なんて浮かれてたら感じた複数のチャクラ。くるりと踵を返しその近くで身を潜めると、木ノ葉の中忍ベストを着た二人が敵と思しき四人の忍に囲まれてた。その2人は冷や汗をダラダラと流し足も体も震えてる。
あれは、ちょっとやばいじゃんね。

その瞬間、足にチャクラを溜めてこちらに背を向ける敵忍を一人、素早く抜いた愛刀で峰打ちにする。


「!!誰だ!」
「うちの里の子たちになにしてんの?」
「マリナさん!」


すとん、と降り立つと後ろにいる二人の体から少し力が抜けたような気がした。その間にじっくりと敵忍のチャクラを観察する。


「マリナ…?ならお前が、あの…木ノ葉の鬼神!」
「鬼神だと!?こいつがか!」


あーぁ。もう気付かれちゃった。
何はともあれ怖気付いてくれてるなら好都合。


「これ、どういう状況?」
「…み、密書の運搬任務の途中です。たぶんその密書を狙ってる抜け忍だと思います」
「なるほどね…」


状況を聞いて立った仮説にため息をつく。
恐らくその密書は中忍二人で任せられるCランクのものだからはっきり言って重要性はそんなに高くない。となれば、きっとこいつらの狙いは密書じゃなく…

木ノ葉の忍そのものってところか。


「ね、ここは私に任せてくれないかな」
「…で、でも…」
「こんなこと言いたくないけど、君たちではちょっと厳しいかも」
「…」
「先に帰って綱手様にこのことを伝えておいてほしいんだ。出来るだけ早く追い付くから」


ね?とそう言って笑いかけると、二人は顔を見合わせて頷いた。


「…すみません」
「謝ることじゃないでしょ。さ、早く」
「…どうかご無事で」


二人が消えたのを確認してふーっと息を吐く。ゆっくりと敵忍に目をやると三人揃ってびくっと震えた。


「…さて、どうしよっか」
「…っ」
「来ないの?」
「…」
「なら、」
「!」


「こっちから行くよ」
言い終わる時にはもう既に一人仕留める。残った二人は何が起こったかすらわかってない。隙だらけの残りを始末するのにそう時間はかからなかった。どこから雇われたのか尋問するために一人は生け捕りにして縄でぐるぐる巻きにしたあと木ノ葉に回収を頼む式を飛ばす。


「さて、そろそろ帰りますか…!」


そう言って立ち上がったと同時に飛んできたクナイをたん、と地面を蹴って避ける。
目の前に降り立った一人の男。こいつから感じるチャクラはとても嫌な予感がするわけで。


「さすが木ノ葉の鬼神。見事なお手並みだったよ」
「…お前は…」


そこにいたのは各国で指名手配されているS級犯罪者の抜け忍――睡臥すいがだった。



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