02





「…カカシ先生。ほっぺが緩みっぱなしで見てられないです」
「…え?」


今日はガイが単独任務で不在のため、代理で俺がガイ班の隊長。数ヶ月前に中忍に昇格した三人は昔に比べてずいぶんと逞しくなったもんだと少し寂しくも思う。サクラも中忍になったし、自来也様と修行に出てるナルトは今頃どうしてるんだろうな。

そんなことを思いながら挨拶もそこそこにさっそく引きつった笑顔を見せたテンテンに苦笑いを返す。…そんなに?


「カカシ先生!先生に恋人がいるという噂を聞いたのですが、本当なんですか!?」
「へ?…あ、あぁ。まぁね」
「へぇ、そうなんだ!だからほっぺがゆるゆるだったんですね!」
「どんな方なんですか!?」
「…んー、どんなって言われても、ねぇ?」


マリナは特別美人ってわけでもなくどこにでもいるような感じ。だけど愛嬌があるから誰からも好かれる、そんな俺の大切な人。
…これってどう伝えればいい?


「おい、二人ともその辺にしておけ。カカシ先生を困らせるな」
「なんでよ!ネジは気にならないの、カカシ先生の恋人!」
「そうですよネジ!」
「俺は興味ない」
「とか言っちゃって、どうせちゃっかり聞いてるんでしょー?」
「なんですって!?盗み聞きは卑怯です!」
「っうるさい!さっさと行くぞ!」


…なんだかんだやっぱりまだ若いな。
若干オヤジ臭くなった頭の中に再び苦笑い。すたすたと歩いていくネジをぎゃーぎゃー騒ぐ二人と一緒に追いかけた。


ガイ班との任務もそのあと行ったAランクも問題なく終わり、里に帰ったのはやっぱり夕方を少しすぎたころ。
たぶんマリナはまだ帰ってないだろうし晩飯でも作って待ってようと商店街で買い物を済ませ、家に帰って部屋着に着替え台所に立つ。


「さて、やっちゃいますか」


なんか気合が入っちゃって、マリナの好物の材料ばかり買ってしまった。
調理しながらマリナが美味しそうに食べてくれる顔を思い浮かべると頬の緩みを感じる。


「いかんいかん」


一人でニヤニヤしてるなんてただの怪しいヤツだ。この年になってまでそんな風に見られたくない。いや、自分の家だから誰も見てないんだけど。

そんなことを考えているうちに出来てしまった夕飯。
ふと外を見ればいつの間にかもうすっかり日が暮れてる。単独のAが二件ならそろそろ帰ってくるだろうからそのまま待つことにした。
例に漏れずやっぱりマリナの幸せそうな顔を想像しちゃって、緩んだ頬をまた引き締めた。



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