幸せすぎてとろけそう! 1/2
私の上に覆いかぶさるユーリスは、不機嫌の極みだった。
ベッドに組み敷かれ、荒々しい口付けをいただく。小さな抵抗にと固く閉じていた口も無理矢理こじ開けられ、舌で口内を犯された。
「んん……っ、ユーリス……!」
ユーリスを押し退ける為に伸ばした腕は彼の片手に拘束され、もう片手であらわになった乳房を撫でられる。
先端を口に含まれると、初めての感覚に思わずピクリと体が跳ねた。
「やぁ…っやだ……!ユーリス…ッ」
「嫌だって言う割には、良い反応するね」
「ち、ちがっ……んっ」
「何が違うの?」
ユーリスの舌が首筋を這う。彼の口が体に触れる度、羞恥で体が反応してしまう。
なんでこんなこと…。今日は帰ってきてすぐ、無言でユーリスに連れられこの展開だ。わけが分からない。
確かに私はユーリスが好きだし、付き合っているはずで、こういう行為も望んでいたことだ。だけど、今日の彼はおかしい。ずっと辛そうに眉間に皺を寄せている。
「アニス」
ユーリスの手が下腹部を撫でた。ソコがすでにしっとりと潤っているのが自分でも分かる。恥ずかしさに顔を背けたら、彼の手とキスで阻止された。
「…っユーリス、なんで…」
下着を剥ぎ取られ、ソコへ直接触れられる。
触られただけで全身が痺れるような快感。羞恥と期待と戸惑いで、私はもう完全に混乱していた。
クチュクチュと淫らな水音が耳まで犯していく。
「ひゃぁっんっ、ぁっ……だめっ」
「……あの白騎士とも、こういうことしたの?」
「……ふ、え?」
下の入口をやんわりと撫でながら、ユーリスがそんなことを言った。白騎士って…まさか?
「な、なんで…」
「…今日会ってたんだろ?」
「それは…、たまたまで…」
「ふうん…。」
なんとなく見えてきた。彼は何か勘違いしてる?
ユーリスは愛撫を続けていた手を止め、再度荒い口づけをしてきた。激しいキスで息が苦しい。元々麻痺しかけていた頭が、酸欠でさらにぼーっとする。
「はぁっ…ユーリス、ちがっ…違うの…!」
「…何?」
「わ、私が好きなのは…ユーリスだけだよ…っ!」
「…っ、ならなんでキスなんかしてたんだ!」
「へ…?」
キスって?あの騎士様と?そんなばかな。
キョトンと彼を見つめながら、必死で今日あったことを思い出し、あることに思い当たった。
「あ…あれは目元に付いた髪を取ってもらっただけだよ?」
「……は?」
前髪切ったばっかりだったから落ちてきたんだと思う―と自分の髪を摘みながら、彼に見せた。
今度は彼がキョトンとする番。
「……嘘」
「本当」
「……」
「…ユーリス?」
「――――っアニス!」
がばっとユーリスが抱き着いてくる。顔が見えなくなったけれど、ちらりと見えた耳が真っ赤だった。
勘違いして、嫉妬して。そんなユーリスが可愛くてしかたがない。笑いが堪えられそうになかったので、私も彼を思いっきり抱きしめ返した。
「〜〜っごめん、アニス!僕っ…!」
「ううん。いいの。…ふふ!」
「アニスっ…。」
ユーリスの頬を撫でキスを送ると、彼も優しく応えてくれる。さっきのような荒さはなく、甘くてとろけるような優しいキス。
「ん…。あ、あのね、ユーリス…その……」
「…?」
「…つ、続けて…くれる?」
そう言うと、彼は固まってしまった。穴が開きそうなほど見つめられ、あまりの恥ずかしさに顔を背けたところで彼がぽつりと呟いた。
「…あんまり可愛いこと言わないでよね」
「――んっ」
今度は熱いキス。口の中で舌が絡まる。彼の熱が伝わって、頭の芯まで痺れそう。逃げずに彼の舌に応えれば、嬉しそうにきつく抱きしめられた。
彼の一つ一つすべての動作が愛おしい。
「…ん……優しくしてね?」
「アニス次第だね」
「もう…」
愛おしくて、とても幸せだ。