Enthusiastic collector 1/2
私は目的の為ならなんだってするわ。たとえ火の中水の中、どんな苦痛があろうとも!
そこに輝く宝石があるのなら!
青い海に輝く緑。
大海原のど真ん中に位置するこのルリ島は、帝国本土からはもちろんグルグ大陸からも様々な品が集まる貿易拠点となっていた。
ノームの金塊、グルグの星屑、太陽石もちらほら見受けられる。さすがに今までなかったグルグの品は見ていて楽しい。ただ、ただちょっとだけしっくりこない。
もっとこう、心躍るようなレア度の高い一品はないものかしら?
活気溢れるルリの街をうろうろ……途中金髪のお兄さんに声を掛けられたが丁寧にお断りしておいた。
「んー…、なかなかないものね。やっぱグルグ大陸に渡ってみようかしら。」
ぽつりと一人で呟いてみた時、私のお宝センサーがぴこっと反応した。いや、単に魔力を感じ取っただけなんだけども。
「これは…うーん、いい品だと思うんだけど…。」
持ち主は一体誰かしら。
こんな荒れた魔力じゃ、せっかくのお宝が壊れてしまうわ!その前に私が貰い受けないと!
センサー頼りに路地裏を進む。センサーって言っても私の第六感というか、まぁ直感ってやつ?
迷いなく進んでいると、前方に銀髪の少年を発見。持ち主は彼だ、間違いない。
「ちょっとそこのイケメンくん。」
真正面から言ったのに見事なスルー。
そのまま彼はすれ違っていった。
「おーい、君のことだよ。銀髪眼帯少年。」
「……何?」
振り向いてくれたが一言だけ。
なんだ、シャイボーイか。
「唐突で申し訳ないのだけど、それ見せてもらえないかしら?」
「…は?」
「その眼帯、外してもらえないかしら?」
「………。」
無言で睨まれた。だがそんなことでは私は怯まないぞ。
ギリギリまで距離を詰め、逃げられないように腕を掴む。
「ちょっと、やめてくれる。」
「それ、外しなさいな。」
おでこがくっつくほどまで近づいて眼帯をつつく。
あぁ、こんなに近くに素晴らしいお宝があるのに、この真っ黒な眼帯が邪魔で見えないなんて。
早く見たい。
こんなにも力の増幅された太陽石は、きっと素晴らしい輝きを放っているに違いない。
だからこそ、こんなにも扱いが酷いのは許せない。
「外しなさい。」
もう一度、今度は彼の宝石のような瞳を見据え命令した。