midday | ナノ



鮮やかな緑にピンク。春の日曜日は穏やかだった。

今日は沖田にとって3週間ぶりの休暇である。春独特のゆったりした雰囲気のせいだろうか、ここ最近は江戸に大きな事件はない。

暖かい日差しから隠れて縁側にまどろむ若い男女。透き通るような栗色の少年はあぐらかき、その上には結い上げられた淡い桃色の少女が座っていた。
少年は少女の細い首に両腕を回し、たわいもない日常の出来事を語り合う。そんな2人の近くには風に撫でられた、幼い庭の桜だけだった。


「総悟、寝むぃ」

まどろむ少女は半ば夢の世界へと旅立つ途中。リラックスしきった躯を沖田に預け、早くも瞼が落ちかけている。

「寝てんじゃねーやィ、神ぁ楽」

巻き付けた腕を寄せて、無防備な頬に唇を充てる。柔らかくなめらかな肌が気持ち良い。そのまま何度も口付けては、頬から首筋へ。ゆるく開いた口が神楽の白い肌に歯を立てた。

「ちょっ、何するネ!」

慌てて躯を捻った抗議の態度も、赤く染まった耳を見れば余計に止められず、益々やりたくなってしまう。
回した腕をがっちりと固め神楽を囲んだ沖田はゆっくりと唇を滑らせ相手の反応を楽しむ。時たま強弱をつけて甘噛をすれば、小さく揺れる細い肩。舌先で首筋をなぞると、微かに震える吐息に自らの血が勢い良く管の中を駆け廻り、体温を押し上げているのが分かる。

「どうしたァルか‥?」

桃色の少女は蒼の瞳を悪戯に細める。妙にそれが色っぽいもんだから、沖田も負けずに、余裕を決めた。


「何が?」
「何がって…‥だって総悟、

やらしぃ、アル。」


いやいや、アンタの方がだろ。そんな想いは飲み込んで沖田の手はゆっくりと、じらすように腹部を撫でた。


「んっ、くすぐったぃ‥…」

身を捻って、僅かな抵抗。それでは余計に煽っているようなものなのだが、この少女には考えてもみない事である。


「今からどうですかィ?夜のリハーサルなんて。」

軽い少女の躯を持ち上げて、朝のままに敷かれた布団へと移動する。熱っぽい視線を向ける神楽に軽いキスをして、本気で暴れない様子にこの先の行為を考え、一人悦楽に浸る沖田であった。






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