ジランドを倒した後のことは、あまり覚えていない。
ただ、ジランドが死んで、アルヴィンがジランドの銃を手にしたこと、四大を見たことは覚えてる。
ガイアス達が来て、マナが抜かれていく苦しさに、床に倒れ込んでから、それからの記憶が、ない。
「…ん…、」
目を開けるとそこは自室だった。カン・バルク、ガイアス城内にある、ガイアスの隣の部屋。四象刃と同じくらいの広さで、私の部屋だけは特別にガイアスの部屋へと繋がるドアがあるその部屋に私はいた。
ベッドに横になっていた私は、薄暗い部屋でぼぅっとしていた。
不意に、ドアの開く音。
「、アミュレイン!」
「え…あ、プレザ」
ドアを開けたのはプレザだった。後ろからアグリアも入室して、電気がつけられた部屋は一気に明るくなり、アミュレインは目が眩んだ。
「目が覚めたのね、よかった」
「うん、ちょうど今、ね」
「ネェちゃん、アンタ3日も寝てたんだぜ?」
3日、か。と呟いて二人を見ると、どちらも顔が綻んでいた。
「…どうなったの?」
「あの後、マクスウェルが死んだわ」
「…………え?」
マクスウェルが死んだ。
マクスウェル、ミラが?どうして、
「クルスニクの槍をどうにかするためにだよ、そこまで命かけれるってのも、馬鹿を通り越して尊敬するよ」
ハハハ、と笑ったアグリアに、アミュレインは何も言えず「そう」とだけ言った。何かが抜けたような、悲しいような、泣きたいような。そんな、感覚だ。
「悲しい?」
「っ、別に…!」
「無理しないでいいのよ」
「…泣いてるじゃん、ネェちゃん」
アグリアに言われて頬を触ると、流れる何かに困惑した。涙、私は泣いていたのだ。
「…っ、ミラ…」
「陛下達には私達から伝えるわ、だから今日はもう寝てて?」
「、大丈夫、自分で言うわ」
「ネェちゃん、無理すんなって」
「大丈夫、二人ともありがとね」
ゆっくりとベッドから下りる。3日ぶりに立ち上がったせいか足元が覚束ない。そっとプレザが支えてくれて、アミュレインは王座まで歩きだした。
目が覚めて。
20121221
久々の更新です、
そしてこれから何話かオリジナル展開になります。
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