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勝負の行方。



源霊匣、この精霊セルシウスは源霊匣というらしい。精霊術の一つだそうだ。

セルシウスを道具だと言い切ったジランドに、みな殺気を向ける。精霊にも、心があるのだ、道具なんかじゃない。

ジュードはジランドを許さないと戦闘体勢をとり、それに続いて、みなが武器を取り出した。




「いくぞ、アン」
「仕方ないわね、!」

「ミラ!」
「あぁ!」

「ローエン、お願いします!」
「はい、いきますよ!」

「私はみんなをフォローするね!」




それぞれが共鳴した状態っあったが、ジランドとの戦闘は、苦戦を強いられた。アルヴィンと同じような戦い方は、正直いってやりにくい。過去の、ファイザバード沼野でのアルヴィン達との戦闘が頭に過ぎった。


「ちっ」
「大丈夫か、アン」
「、大丈夫に決まってるでしょ!」

「アン、今回復するから!」

「レイア、エリーゼ、無理しないでね!」
「はい、ジュード!」


ジランドは、アンばかりを狙っていた。そして、セルシウスも、だ。だから背後はがら空きだったが、アンの体力消費が早く、回復にまわるエリーゼとレイアは止まることなく詠唱を続けた。近くで回復できるジュードやアルヴィンも、攻撃回数が減っていた。

近距離でセルシウス、遠距離からはジランド。アンの体力、そして苛立ちもそろそろ限界になってきていた。


「危ねぇ!」
「きゃ、っ…!」


ふらり、一瞬よろめいたアンにセルシウスは詰め寄り技を繰り出そうとしていた。

が、間一髪でアルヴィンが庇うと、アンは後ろに倒れ込み、ミラが腕を引いて立ち上がった。


「大丈夫か、アン」
「へ、き…!」
「一気に畳み掛ける!
ついてこい、アン!」
「、りょーかい!」


アルヴィンとの共鳴からミラと共鳴する。ジランドに向かって走り出しミラの後を銃をホルスターに仕舞い剣を抜いたアンが追った。


「アサルトダンス!」
「獅子戦吼!」


ミラ攻撃からアンに移りジランドを吹っ飛ばし、次いで走り込んできたジュードがコンボを繋げていく。


「くっ、」


アルヴィンがダァン、と銃をぶちかますと、苦しそうな声をあげてセルシウスは膝をついた。


さぁ、あとはジランドだけだ。


「あとはジランドだ、いくぞ!」
「えぇ!」

「アン、無理はするなよ!」
「僕達もいるから!」

「アン、回復します!」
「もう一回、バリアー!」


7対1。苦戦していたとはいえ勝負は目に見えていた。アルヴィンの秘奥義がジランドを襲い、ぐぁあ!と声を上げたジランドは、倒れた。


「はぁ、はぁ…っ」
「アン、大丈夫か?」
「当たり前、でしょ
これ、くらい、平気…!」


普段の戦闘よりも、アンは体力を消費していた。回復してくれていたからなんとかなってはいたが、そうでなければとっくに倒れていただろう。

どこに入れていたか不明ではあるがアンはレモングミを口に含み、少しずつ呼吸が落ち着いたのだった。


勝負の行方。


(足がくがくだよ、)



20121202

やっとこさジランド戦終わり…!

さて、次回以降は佳境に入ります!多分(←)




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