TOX | ナノ

また、一緒に




「くそ、封鎖線をはりやがったな」


ジルニトラ、ジランドがいるであろうその先へ続く扉に「封鎖線」とやらが張られたらしい。通信機で中央以外の封鎖線は起動していないとの情報を得たことから、左右の発動機を止めに歩きだした。



「ミラ、怪我してる。…マクスウェルでも、油断は禁物だよ?」
「、わかっている!…すまない」

「うぅん。…はい、治療完了」
「っ……!」


ジュードとミラのやりとりを、アミュレインはすぐそばで見ていた。いつも毅然とした態度をとるミラが珍しい。なにがあったのだろう、とそっとミラの肩を叩く。すると肩を揺らして振り向いたミラは、アミュレインを見て驚いた。


「まさか、お前から話し掛けてくるとはな。…私達は敵なのだろう?」
「…まぁ、敵だけど
前に言ったでしょ"本質的には嫌いじゃない"って」

「ふ、そうだったな」


笑ったミラに、少しだけホッとした。なんだか、焦っている様子だったから、だから、気になったのだ。ジュードに、あんな態度をとることが不思議だった。


「なにかあったの?」
「…何故、そう思う?」

「そうね……。ミラ様に余裕がないから…かな?」
「余裕?」

「いつもミラは、毅然としてたし、今みたいな態度は見たことがないもの」
「…少し考え事をしていてな」

「考えすぎは身体に悪いわ。そんな態度ってことは、相当深刻なの?」



…そうだな。と落ち込んでしまった様子のミラに、別に無理に聞きたいわけじゃないのよ?!と慌てて言うと「ありがとう、アン」とミラは、少し吹っ切れた様子で笑った。


「私自身を忘れていたよ。アンのおかげで見失わずにすんだ」
「ばっか、大袈裟ね」


ふ、とアミュレインも表情を緩めた。久しぶりに、笑った気がする。そしてミラも少しだけ心が軽くなった気がした。アンと話して、ミラも懐かしいと感じていた。ほんの数日、まともに話さなかっただけだと言うのに。


「(私も、いつの間にか…ジュード達のようにアンに魅せられていたのか)」


ぐ、と伸びをしたアンにミラは背中を叩き「行くぞ、アン」と歩きだした。「はいはい、ミラ様」とおどけたアンに、二人はまた笑った。






「あ、ミラとアンが二人だけで話してる!ずっるーい!」
「行きましょう、レイア、ティポ!」


二人並んで歩いているアンとミラに向かって走りだしたレイアとエリーゼ。「アン、ミラっ」と勢いよく抱き着いて4人は倒れ込んだ。



「ちょ…なに…!」

「アンと二人でお話なんてずるいですよ、ミラ」
「そーだよ私達もいれてくれなきゃ」

「ふふ、すまない。
今度は4人で話しをしよう」


くすりと笑ったミラにレイアをエリーゼは嬉しそうに笑う。そんな3人を見て、アンは溜息をつきながら笑った。


「…仕方ないわね、」

「「やったぁっ」」


アミュレインの言葉に、二人は喜んだ、さらにアミュレインに抱き着いたエリーゼと、ミラから離れてアミュレインに抱き着いたレイア。苦しそうに顔を歪めてミラに助けを求めるも、「頑張れ」とジュード達の元に歩いていったミラを、アミュレインは少し恨んだ。



また、一緒に



(ちょ、く、苦しい…!)



20121120

ほらまた進まない…!

そしてアルクノア兵がうろつくジルニトラで賑やかに会話をできる程の余裕があるPTに驚きwww


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